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過去の資産を活かし、学習ツールとしても進化…シャープの電子辞書「Brain」

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シャープ 通信システム事業本部 パーソナルソリューション事業部 モバイルソリューション開発部 部長の藤井良一氏
  • シャープ 通信システム事業本部 パーソナルソリューション事業部 モバイルソリューション開発部 部長の藤井良一氏
  • トロフィーを手に喜びの表情の藤井氏
  • 高校生向けのPW-G5200では135コンテンツを収録
  • PW-G5200を手にする藤井氏
  • 今年のモデルでは全文検索に対応
  • 大きな文字でもきれいに表示できるなめらかフォント「美文字」を搭載
 顧客満足度で決定する「イード・アワード2012 電子辞書」の高校生・総合部門で、シャープ「Brain(ブレーン)」が最優秀賞を受賞した。Brainはこのほか、「操作性」「検索機能」「画面の見やすさ」「デザイン」の各部門賞も受賞している。Brainの開発に携わった、シャープ 通信システム事業本部 パーソナルソリューション事業部 モバイルソリューション開発部 部長の藤井良一氏に話を聞いた。

--イード・アワード受賞おめでとうございます。受賞のご感想をお聞かせください。

藤井氏:メイン市場と捉えている高校生の部門で、しかもお客様満足度調査で最優秀賞を受賞できたのはとても嬉しいです。

 今年リリースした新モデルは、「電子辞書の基本機能を見直す」ことをコンセプトに開発しました。まさにその基本機能である、検索性、操作性、見やすさの部門でも賞をいただけたことは特に嬉しいです。

 またアンケート対象者は、お金を出す立場である保護者の方とのこと。ご購入の価値があったと認めていただけた、ということをありがたく受け止めています。

--シャープの電子辞書「Brain」の強みは何だとお考えですか。

藤井氏:シャープでは1970年代に液晶の電卓、80年代に電子手帳、90年代にZAURUS(ザウルス)を開発し、この過去の資産を活かして「電子辞書」を開発して14年以上になります。この間、一歩先ゆく商品を出し続けることで市場をリードしてきたと自負しています。

 たとえば従来の電子辞書はモノクロ画面でしたが、2002年に他社に先駆けてカラー液晶画面を採用しました。その後も、コンテンツカードにより辞書を増やせる機能、手書き入力の採用、動画の導入など、常に新しい機能を盛り込んできました。

--今後も進化させていくとしたら、どのような方向に向かうのでしょうか。

藤井氏:今や電子辞書は、単なる辞書ではなく、学習ツールとしての機能も期待されています。問題集、参考書、TOEICや漢検対策のドリルなどの学習コンテンツや、英語や歴史等をゲーム感覚で学習できるアプリも搭載しています。今後は、本当に学習効果をアップできるかどうかにまで踏み込んで、さらに教材としての可能性を追求したいと考えています。

--コンテンツは何本くらい収録されているのでしょうか。

藤井氏:高校生向けのPW-G5200では135コンテンツを収録しています。「ブレーンライブラリー」というWebサイトからダウンロードすることで、コンテンツを追加できますので(有料)、大学に進学後には、第2外国語の辞書をダウンロードして、継続してご利用いただく例も多いです。

--Brainの特長は何ですか。

藤井氏:ひとつは高精細のカラー液晶画面です。AQUOSを作っている会社ですから、色の再現性には自信があります。

 もうひとつは高品質な音声。英語の発音ではネイティブ音声と、合成音声の両方を使っていますが、ネイティブ音声の出力には、正しい発音を聴いていただくために、音楽と同じMP3のフォーマットとYAMAHAのサウンドエンジンを採用しています。

 また、今年のモデルから、全文検索を導入しました。辞書は普通、見出し語から引きます。つまり見出し語がわからないと引くことができません。しかし関連する用語を入力すれば解説文からも全文検索をしてくれるので、見出し語がわからなくても引くことができます。またアンド検索で、全文検索の対象を絞り込むこともできるなど、今まで以上に広く、深く調べることができるようになりました。

 もうひとつ、今年のモデルの特長として、大きな文字でもきれいに表示できるなめらかフォント「美文字」を電子辞書としては初めて採用しました。画数が多く複雑な文字でも、細かいところまではっきりわかるようになりました。

 これらの新機能を搭載するために、システム自体もパワーアップし、検索・表示スピードも速くなりました。

--電子辞書が学校で使われるようになったのはごく最近だと思いますが、ユーザー層はどのように変わってきたのでしょうか。

藤井氏:今は高校生がメインユーザーですが、発売当初は、年輩の方が手紙や文書を書くときに、漢字を調べる目的で購入されることが多かったです。

 5年程前までは多くの高校で電子辞書を持ち込むことが禁じられていましたが、持込み可の高校が急激に増えるようになって、高校生向けの市場が一気に広がりました。

 中学校では、高校に比べると辞書を使う機会が少ないですし、紙の辞書を使うことが奨励されている学校も多いです。また中学生には高価な商品ということもあって市場はさほど大きくありません。しかし中学生の市場も、これから広がっていくのではないでしょうか。

--スマートフォンは電子辞書の競合になるのでしょうか。

藤井氏:大学入試での携帯端末によるカンニングが問題になりましたが、学校に通信機能のある機器を持ち込むことはまだまだ難しいのではないでしょうか。また、電子辞書に搭載されている大量のコンテンツをスマートフォンで提供できるかというと、難しいと思います。電子教科書が普及して、電子教科書自体に辞書機能が搭載されるようになると、事情が違ってくるかもしれませんが、まだ当分は、学校では電子辞書が使われると考えています。

--ありがとうございました。

 イードは、2012年4月13日~4月23日、電子辞書を利用している中高生の保護者を対象に、電子辞書の「操作性」「検索機能」「画面の見やすさ」「携帯性」「デザイン」「耐久性」「バッテリーの持ち」「アクセサリーの充実度」「コンテンツの充実度(追加できるコンテンツも含む)」の満足度および「総合満足度」を、5段階でインターネット調査し、「イード・アワード2012 電子辞書」として2012年5月に発表した。シャープ「Brain」は「高校生・総合部門」で最優秀賞のほか、「操作性」「検索機能」「画面の見やすさ」「デザイン」の部門賞も獲得した。

◆イード・アワード2012 電子辞書
 >>> http://resemom.jp/feature/award05/

《聞き手:田村 麻里子》
《石井栄子》

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