「時間の問題で必ずドコモを抜いて日本で一位になる」…ソフトバンク孫社長(後編)

 ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、9日開催の冬春新商品発表会において、「時間の問題で必ずNTTドコモを追い抜いて日本で一位になる」との決意を示した。

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ソフトバンクの孫正義社長
  • ソフトバンクの孫正義社長
  • フォトビジョンは地デジに対応
  • エイベックスとのジョイントベンチャー「UULA」
  • スマートTV「スマテレ」
  • スマートTVのサービスイメージ
  • コンテンツの購入から視聴まで、スマートフォンがリモコンの代わりになる
  • TSUTAYAと提携
  • そのほかの提携パートナー
 ソフトバンクモバイルの孫正義社長は、9日開催の冬春新商品発表会において、「時間の問題で必ずNTTドコモを追い抜いて日本で一位になる」との決意を示した。

 発表会終了後に記者団との囲み取材に応えた。記者団との主な一問一答は以下の通り。

――スマートTVで一番困難だったのは?

 日本の業界No.1の相手と独占的に提携できたのが大きい。TSUTAYAさんにこういったカタチで品揃えを全部揃えてもらえるのはソフトバンクのみの提携で、音楽エンターテイメントではエイベックスとジョイントベンチャーに踏み込んだのは我々のみ、ヤフー、Gyaoなど、これだけ総合的に全部揃えたのは日本で初めてではないかと思う。

――今日の質疑で言っていた“総合力で戦っていく”という方向性を固めたのはいつ?

 この業界に参入したと同時に、ソフトバンクはインターネットの会社であると、インターネットの技術、コンテンツ、ネットワーク、端末は、我々の基本的なビジョンとしてあらゆる角度で常に追い求めている。だから、他社より先にスマホの代表「iPhone」を手に入れることができた。日本一速い通信速度、圧倒的な品揃え、そういう意識が経営の根幹にある。総合的なモバイルインターネットのNo.1カンパニーであるという自負がある。だから、画期的な端末、ネットワーク、サービスが総合力で出せる。

――ドコモが言っている総合力とは違う?

 他社は、我々ほどコンテンツを用意できていない。ネットワークについては、プラチナバンドの許認可という問題について、怨念のように恨みつらみがありますが、それもやっと最近は解決した。電波が最も繋がる、最も速い、世界最高レベルのものをやるんだというのは、我々の明確な方針。都心なんかでは圏外の8割ぐらいは改善した。圧倒的に他社を上回るものをやっていきたい、それが利益の伸びに繋がり、ユーザーの伸びに繋がる。

 我々はユーザー数で実質的に2位になった。時間の問題で必ずドコモを抜いて日本で一位になるという決意は並々ならぬものがある。結局は決意をしているかどうかだと思う、それが結果に現れると思っている。最初は何もないソフトバンクだったんです、もちろんボーダフォンジャパン、イーアクセスの買収もありましたが、どういうカタチであれ、そういう決意をしていることが結果をデリバリーできる。

――TVもソフトバンクには重要なもの?

 放送と通信の融合は言われて久しいが、今回は本当に大画面のTVでHD画質の動画がレンタルビデオ屋と同じ日に揃う。これは初めて。フォトフレームも地デジ対応したし、本当の意味で放送と通信の融合を実践しているのはソフトバンクではないかという自負がある。ネットワーク、端末、コンテンツ、トータルで初めて勝負できる、しかも490円で提供できるのは画期的。

――今回は映画と音楽が中心だが、融合という意味でほかの可能性もあるのか?

 情報革命は始まったばかりだと捉えている。通信速度のキャパシティは何年か先には1000倍になるでしょう、ありとあらゆる電気機器にチップが入っていって、モバイルインターネットで繋がっていく、そういう時代の入り口。技術の進化を私は信じている。それに我々の情熱が加わって面白いワクワクするサービスがこれから続々と出てくると思っています。

――スマートTVに参入するということは、スマートTVの市場に期待している?

 そうです、スマートTVはこれから人々の生活に欠かすことのできないものとなる。

――「SoftBank SmartTV」のビジネスモデルは?

 提携パートナーであるTSUTAYAさん、エイベックスさんなどと続々とコンテンツを揃えていくと、我々のスマホが増々売れる。従来のリモコンで数字を入れるとか“かったるい”ことで4万本もあるレンタルビデオを選ぶのは至難の業。今までTVでインターネットに繋がりますって各テレビメーカーから発表されても、ユーザーは全然使っていない。リモコンが使い物にならず、“高すぎる”、“面倒くさすぎる”ということ。

 (「SoftBank SmartTV」は)端末を差して、我々のスマホがあれば、レンタルビデオ屋で棚を探すより簡単に探せる。そこがポイントだと思う。iPhoneだって、部品を組み合わせたものだが、スペックの数字で表せるものでなく、ヒューマンタッチの部分を含めたトータルの使いやすさに価値がある。

――アップルTVより優れている?

 将来アップルがもっと進化しているものを出してくると思うが、コンテンツの品揃えに関して、日本の視聴者向けのコンテンツがレンタルビデオ屋と同じ以上の品揃えで、新作もお店と同じタイミングで揃うのは画期的。

――レンタルの時間は?

 48時間です。

――iPhone、iPadでも対応する。

 そういった方向で考えています。

――今回、モトローラの端末を採用しているが、(モトローラが)Googleの子会社だからというのが大きいのか、TD-LTEのノウハウをもっているからか?

 両方です。Google社がソフトバンクに対して最も先進的にスマホに取り組んでいるということで、モトローラを日本で今回ソフトバンクのみに出してくるのは、我々にとって嬉しいこと。

「必ずドコモを抜いて1位になる」……ソフトバンク孫社長、一問一答(後編)

《椿山和雄@RBB TODAY》

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