高校入学から大学卒業までの平均は1,031万円…教育ローン利用者

 高校入学から大学卒業までの費用は、子ども1人あたり平均1,031万円で過去5年間高止まり状態にあることが、日本政策金融公庫の調べで明らかになった。

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入学先別にみた入学費用
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  • 高校卒業後の入学先別にみた卒業までに必要な費用
  • 大学卒業までに必要な費用(過去5年間)
  • 年収に占める在学費用の割合
 高校入学から大学卒業までの費用は、子ども1人あたり平均1,031万円で過去5年間高止まり状態にあることが、日本政策金融公庫の調べで明らかになった。

 同調査は、2012年2月~3月に「国の教育ローン」を利用した2万1,103世帯を対象に2012年7月時点の教育費の支出状況について無記名アンケートを行い、5,083世帯の有効回答を得た。

 子ども1人あたりの入学費用は、高校が48.1万円、高専・専修・各種学校が83.6万円、短大が88万円、大学が94.4万円。私立大学の入学費用は、理系で102.9万円、文系で95.6万円、国公立大学の入学費用は82.3万円となっている。国公立大学へ入学した場合は、入学しなかった学校(私立大学等)への納付金(11.9万円)の負担が大きくなっている。

 1年間の在学費用は、高校が96.6万円、高専・専修・各種学校が146.3万円、短大が146.7万円、大学が149.9万円。私立大学の1年間の在学費用は、理系で175.1万円、文系で148.1万円と、国公立大学(108.5万円)と比較すると、理系でおよそ1.6倍、文系でおよそ1.4倍となっている。

 高校入学から大学卒業までに必要な費用は、入学費用と在学費用を累計すると、高校3年間で337.8万円となる。大学に入学した場合693.9万円が加わり、高校入学から大学卒業までに必要な費用の合計は、1,031.7万円となる。高校卒業後の入学先別にみると、私立大学に入学した場合の累計金額は、理系で1,141.0万円、文系で1,025.8万円であるのに対し、国公立大学では854万円である。過去5年間でみると、依然として1,000万円を超えており、高止まり状態にある。

 小学校以上に在学中の子ども全員にかかる費用の合計は、世帯年収の平均38.6%となっている。年収階層別にみると、年収が低い世帯ほど在学費用の負担は重くなる。特に、「200万円以上400万円未満」の層では平均負担割合が58.4%となり、年収の半分以上を占める。

 自宅外通学者のいる世帯の割合は、全体の38.3%を占めており、仕送り額は年間平均108.5万円(月額9.0万円)。また、自宅外通学を始めるための費用は、平均44.7万円となっている。

 教育費の捻出方法について、もっとも多いのが「教育費以外の支出を削っている(節約)」60.6%、次いで「奨学金を受けている」56.6%、「子ども(在学者本人)がアルバイトをしている」41.5%の順に多い。節約している支出は、「旅行・レジャー費」58.4%が最多、次いで「衣類の購入費」50.7%、「食費(外食費を除く)」50.3%の順に多い結果となった。
《工藤めぐみ》

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