【高校受験2014】自校作成からグループ化へ、東京都立高校入試の特徴と対策を聞く…市進

 東京都立高校では2013年に推薦の選抜方法が変更され、2014年には自校作成問題が廃止され、グループ作成へと移行される。都立高校入試の特徴や対策について、市進学院 情報出版室室長の長谷川一夫氏に聞いた。

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 東京都立高校では2013年に推薦の選抜方法が変更され、2014年には自校作成問題が廃止され、グループ作成へと移行される。日比谷、西、国立など、進学実績の高い都立高校の人気が高まるなか、都立高校入試の特徴や対策について、市進学院 情報出版室室長の長谷川一夫氏に聞いた。

--日比谷、西、国立など、ここ数年で都立高校の人気が高まってきた印象がありますが、理由を教えてください。

 都立高校の人気は、この5~6年で伸びています。実は10年程前までは人気は低く、「できたら私立高校へ」という傾向が強かったのですが、2001年に日比谷、戸山、西、八王子東が進学重点校に指定されてから学校の特色を出すという意味で都立高校に競争原理が持ち込まれました。

 指導力のある教員の配置や、予算面での支援など、進学指導重点校にはさまざまなサポートが行われ、日比谷は1桁前半まで下がっていた東大合格者数が2桁になり、2010年には37名まで伸びるなど、実績を出しています。またこれに加え、都立高校全体で改革が進んでいることが人気に繋がっていると認識しています。

 また、リーマンショック、公立高校の学費無償化など、経済的な側面も都立高校人気の理由のひとつです。これらが重なったことで、都立高校に目を向ける生徒や保護者が増えてきているのではないでしょうか。

--2013年に変更された推薦入試制度と、その対策について教えてください。

 2013年の推薦入試制度では、集団討論と個別面接が導入され、調査書の比重が減った傾向にあります。各学校は、推薦に基づく得点分布を公開していますが、一部の学校を除いては、想定していたよりも富士山型のきれいな分布になっています。

 内申点が足りなくても、推薦にチャレンジするメリットが増えたという面があるので、集団討論や小論文が得意な生徒は思い切って出願してもよいでしょう。

 集団討論に関しては、各学校が2013年のテーマを公開しています。志望校が出題したテーマや評価の観点を確認することで対策は可能です。特に集団討論では、発言内容だけでなく、協調性も求められています。ほかの生徒の話を聞いているかどうか、発言するポイントはどうかなど、一方的な発言力ではなくバランスよく見ているのではないかと考えています。

 また、初めての実施となった今年とは異なり、各学校が公開している情報をもとに各生徒が対策を行ってくるため、2014年は今年と比べて差がつきにくくなると想定しています。

--2014年より導入されるグループ化には、どのような対策が必要でしょうか。

 2014年入試より、自校作成問題を出題してきた15校が3つのグループに分けられ、入試問題が共同作成されることになりました。進学指導重点校(日比谷、戸山、青山、西、八王子東、立川、国立)は7校グループ共通問題となるわけですが、大問ごとに東京都教育委員会が作成した複数の選択肢から各校が選んで出題することが可能になったことや、1教科につき大問1題までを学校独自の問題と差し替えることが可能とされています。そのため、同じグループ内でも難易度に差は出ます。

 また、特に進学指導重点校間での先生の異動がこれまでもあり、先生の異動にともない各学校の入試問題が変化していました。そのため、入試対策としては、保護者の方々が心配されるほどこれまでと変える必要はありません。志望校の過去問題を第一に取り組み、余裕があればランクが似た学校の過去問題に取り組むことがよいでしょう。

 この方法は、これまでも行われてきた対策で、グループ共通問題といっても各学校が大問ごとに難度・傾向の異なる問題からの選択出題が可能になり、一題のみですが問題を差し替えることができる以上、志望校の過去問題に取り組むことが大切です。

--ありがとうございました。
《湯浅大資》

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