受験勉強のストレス解消と効率的な学習には「チューイング」が効果的

 センター試験が約1週間後に迫り、首都圏の中学受験解禁まで約3週間と、多くの受験生がラストスパートを迎えている。受かる・受からないというプレッシャーを抱え、ストレスに悩む受験生も多いが、受験勉強を最後まで続ける鍵は、ストレスを上手に解消することだという。

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受験生ストレスの症状、本郷赤門前クリニック
  • 受験生ストレスの症状、本郷赤門前クリニック
  • 高校生の勉強時間、ベネッセ教育研究開発センター調査
  • 「チューイング」により脳の作業効率が向上、放射線医学総合研究所調査
 センター試験が約1週間後に迫り、首都圏の中学受験解禁まで約3週間と、多くの受験生がラストスパートを迎えている。受かる・受からないというプレッシャーを抱え、緊張とストレスに悩む受験生も多いが、受験勉強を最後まで続ける鍵は、ストレスを上手に解消することだという。

 受験生を専門に扱う本郷赤門前クリニックの吉田たかよし院長は、「教科書や参考書を読んでも、記憶に残らない」「試験に落ちる不安で頭がいっぱいになってしまう」「床についても、20分以上眠りにつけない」などといった悩みは、受験ストレスの具体的症状だと指摘する。

 集中力の維持には多くの受験生が関心を持つようだが、ストレス解消方法のひとつである休憩中の鎮静化も同様に重要だという。受験勉強の場合、長時間脳が活動し続けるため記憶機能が低下していくことがあり、鎮静化ができていないために効率的に勉強を進めることが難しくなることもあるようだ。特に大学受験を控えた高校生の学習時間は、入試に近づくにつれて増加する傾向にあり、12月には学校の授業以外での勉強時間が7時間以上の高校3年生が約25%にも上ることがベネッセ教育研究開発センターの調査により明らかになっている。

 切っても切れない関係にある「受験」と「ストレス」、ストレスを上手に解消し、効率的に勉強を進めるためには何ができるのだろうか。勉強の合間の短時間にでき、気分転換にもなる運動を集めた「受験生のための運動ガイドブック」が無料で公開されるなど、簡単な運動などが注目されているが、神奈川歯科大学の小野塚實名誉教授は、噛むという行為「チューイング」が脳のマネージメントに役立つと話す。

 噛むことと脳の関係は、放射線医学総合研究所などの研究で解明されており、「チューイング」により脳の作業記憶が向上することが明らかになっている。同研究所の平野好幸氏は、暗記や長時間の読者などが必要な受験勉強において効率的な勉強を持続的に行うには、「チューイング」により脳の一時的な記憶を溜める部分「ワーキングメモリー」を回復させることが必要だと話す。長時間活動し続けると機能が低下する「ワーキングメモリー」は、「チューイング」によって回復するため、学習効率を上げることができるようだ。

 十分な睡眠と簡単な運動に加え、ガムを噛むなどといった「チューイング」でストレスを軽減し、これまでの努力を受験日に発揮してほしい。

《湯浅大資》

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