【中学受験2014】最難関志向の高まり、攻めの受験…2014年の関西入試

 センター試験と同じ1月18日には関西の私立中学校で入試が解禁され、中学入試もいよいよ本格化する。今年の関西中学入試について、難関中学に多くの合格者を送り出してきた、個別指導教室SS-1代表の小川大介氏に聞いた。

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中学受験専門プロ個別指導教室SS-1代表の小川大介氏
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--最難関の灘中がここ数年でもっとも多い出願者を集めました。大学受験では難関校を敬遠する傾向が出ているようですが、中学受験ではいかがでしょうか。

 大学受験とは別の傾向が出てきていると思います。上記で示したように、受験パターンの多様性が図られ、合格確実圏の学校を確保しやすい環境が整ってきたことから、大手塾でも最難関校受験を積極的に行わせ、攻めの受験パターンになっているように見えます。

 また女子の受験を見ても、昨年、帝塚山中で女子の上位コースが新設されたことで、女子の底上げが進んでいます。四天王寺が医学部受験に特化した医志コースを新設したこと、西大和が女子枠を設けたことで、これまで洛南(女子)と神戸女学院の2校がリードしてきた国公立医学部受験の受け皿が拡大したことも大きいですね。

 女子も今後は、難関志向が強まっていくと思います。

--大きく人気上昇し難化している学校はありますか? その理由は何でしょうか。

 奈良では帝塚山学園があげられます。奈良では有名な伝統校ですが、近年大学受験実績を出すことに注力しており、指導力も評判となっています。そのためか人気が出てきており、競争が激化しています。

 大阪では大阪桐蔭があげられます。こちらも京都大学合格100名という数値目標を立て、達成のためにしっかりと指導していることが、関西では認知されています。

 神戸では須磨学園でしょう。数年前から灘中、甲陽学院、白陵中を志望している方が併願校として考えていた学校ですが、着実に合格実績を伸ばしており、男女ともに第一志望校として考えられるご家庭が増えています。3度の受験機会が設定されていますが、募集人数も少なく、競争が激化してきています。

--2014年の受験生と保護者にメッセージをお願いします。

 志願者数の増減、入試傾向の変動など、受験生の皆さん、そしてお父さん、お母さんにとって気になることは尽きないでしょう。

 受験成功の秘訣をお伝えします。今まで調べてきた情報は入試の3日前までに全部忘れてください。

 受験校の入試問題を見直し、出来ていること、使えるようになったこと、わかっていることだけを、もう一度頭に叩き込んでください。自分の勝ち方を確認してください。

 入試で成功するのに、周りは関係ありません。受験倍率も、入試傾向すら関係ありません。出来ていないこと、過去にさぼった時間、苦手な問題、全部忘れましょう。自分を否定する情報や知識は、合格点を取るために何の役にも立ちません。

 受験校の入試問題に対して、自分が出来ることをやり切れば合格します。これまでの努力と身についた力を信じましょう。入試日の前日、当日朝まで、自分が出来ることの確認を重ねてください。そして毎日の暗記と計算練習は当日朝も続けましょう。自分の力をそのまま持って、試験会場に行くこと。

 大丈夫です。

--ありがとうございました。
《田村麻里子》

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