「妻は家庭を守るべき」男女高校生否定的…かながわ女性センター調査

 かながわ女性センターは、「高校生の男女共同参画意識に関する調査報告書」をまとめた。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という、固定的な役割意識については男子高校生、女子高校生ともに否定的だった。

教育・受験 その他
女性が職業を持つことについての意識
  • 女性が職業を持つことについての意識
  • 女性が再就職することについての意識
  • 夫は外、妻は家庭
  • 家事の担い手
 かながわ女性センターは、「高校生の男女共同参画意識に関する調査報告書」をまとめた。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という、固定的な役割意識については男子高校生、女子高校生ともに約半数が否定的だった。

 同センターは、若年者の男女共同参画意識はどのような現状かなどを探るために、進学・就職を控えた県内の高校2年生約1,300人に対して意識調査を行い、取りまとめた。調査期間は昨年10月~11月、職業や進学・就職、男女共同参画社会、家庭や周囲の状況、将来について聞いた。

 男女共同参画に関する意識については、「女らしい振る舞い、男らしい振る舞い」という固定的な性別意識は、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」という意見は、女子44.7%、男子47.3%で半数近くの男女がともに肯定的だった。

 「女性も男性も役割分担して、家事・育児に積極的に関わるべきだ」という肯定的な意識の人は約8割を占めた。性別に関係なく、参加すべきという意識が高校生に根付いていると考えられる。男女別では、女子が男子を8.7ポイント上回って85.5%で、女子のその傾向がより強く表れている。

 「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という意識に対しては、「そう思わない」「どちらかといえばそう思わない」という否定的な意識は全体で43.8%、女子は男子の9.3ポイントを上回り49.1%だった。

 女性が職業を持つことに関する意識では、「結婚・出産」までと考える人が約4割おり、「継続して持ち続けることは当たり前」「ずっと職業を持ち続けるほうがよい」と考える人を上回った。その傾向は女子に大きく表れ、職業継続を制限的に捉えていた。子どもが小学生になったころに再就職する場合は、パートタイムなどの非正規雇用を望む女子は7割近くいた。

 小学生の頃に女性の保護者が職業を持っていたことへの意識を確認したところ、「仕事のあとに家事をするのは大変だと思っていた」がもっとも高く42.6%、「職業を持っていることはあたりまえのことと思っていた」が21.1%で、女性の保護者が働くことを消極的に受けとめていた人の割合がやや高かった。男女別では「仕事のあとに家事をするのは大変だと思っていた」という男子は、46.7%で女子を7.1ポイント上回った。

 同センターは、今回の分析結果を、若年者に男女共同参画の視点を意識づけるための手法や検討など効果的な施策の展開にむけた参考資料としたい考えだ。

 報告書は、同センターのホームページや県政情報センター、県内図書館で閲覧できる。
《田中志実》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top