2014未踏クリエーター、最年少は慶應普通部3年の2人組

 情報処理推進機構(IPA)は6月9日、「未踏IT人材発掘・育成事業」において2014年度の採択プロジェクト14件を発表。最年少で中学生2人組によるプロジェクト「GUIのみによるマルチデバイス開発」が採択された。

教育ICT その他
2014年度「未踏IT人材発掘・育成事業」採択プロジェクト一覧
  • 2014年度「未踏IT人材発掘・育成事業」採択プロジェクト一覧
 情報処理推進機構(IPA)は6月9日、「未踏IT人材発掘・育成事業」において2014年度の採択プロジェクト14件を発表。最年少で中学生2人組によるプロジェクト「GUIのみによるマルチデバイス開発」が採択された。

 未踏クリエーターに最年少で選出されたのは、申請時に14歳(中学2年生)で、現在、慶應義塾普通部(神奈川県横浜市・中学校)の3年に在籍する2人組、岡田侑弥(おかだゆうや)さんと竹田聖(たけだせい)さんだ。

 「未踏IT人材発掘・育成事業」は、ITを活用したイノベーションが起こせるようなアイデアや技術をもつ若い人材を発掘・育成することを目的とするもので、対象は25歳未満(2014年4月1日時点)の個人または個人のグループ。選出されたクリエーターは、自らが提案するテーマについて、優れた能力と実績をもつプロジェクトマネージャー(PM)からの指導・助言を受け、開発プロジェクトを実施することにより、能力・技術の向上を図る。

 岡田さんと竹田さんは今後、PMで、東京工業大学大学院 情報理工学研究科 数理・計算科学専攻 准教授の首藤一幸氏のもとで、開発を進めていく。

 2012年度に改訂された学習指導要領において、中学校の技術・家庭科で「プログラムによる計測・制御(情報処理の手順を考え、簡単なプログラムが作成できることなど)」が必修になったこともあり、子どものプログラミング教育への注目が高まっている。プログラミングは、理論的思考や発想力の養成に効果があり、問題解決能力の向上や、チームで取り組むことによるコミュニケーション能力の向上も期待できるなどとされており、子ども向けプログラミング教室も増加している。

 二人のプログラミングとの出会いもそうした教室で、小学校6年生の終わりに参加した、中学生・高校生向けのプログラミングキャンプ「Life is Tech !」だという。プログラミング初心者からスタートし、2年間に5回キャンプを重ねてきた。

 「Life is Tech !」を主催するライフイズテックの水野雄介代表によると二人は、「初めてのキャンプではわんぱくボーイ達でしたが、身長とともに成長してきました。」と言う。今回の受賞を受けて「このような結果を残してくれたことはすごく嬉しいです。そしてもっともっと、伸びてくれると信じています。本当におめでとう。」とコメントした。

 岡田さんは、同キャンプのメンターで未踏スーパークリエイターの鵜飼佑氏が「あんなに楽しそうにプログラムを書く奴はいない。」と評するほどのプログラミング好き。竹田さんは「度量が広く、リーダーシップ力のあるタイプで、キャンプでも自然と周りに人が集まってくる」のだという。

 2014年度 未踏IT人材発掘・育成事業のPMには、東京大学 名誉教授で早稲田大学 国際オープン教育リソース研究所 招聘研究員の竹内郁雄氏、慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授の夏野 剛氏を統括PMとし、大阪大学大学院 基礎工学研究科 システム創成専攻 教授(特別教授)でATR石黒浩特別研究室室長(ATRフェロー)の石黒 浩氏、産業技術総合研究所 情報技術研究部門 首席研究員の後藤 真孝氏、東京工業大学大学院 情報理工学研究科 数理・計算科学専攻 准教授の首藤 一幸氏、KDDI サービス企画本部 クラウドサービス企画開発部長の藤井 彰人氏が名を連ねる。
《田村麻里子》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top