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慶應大、謎の宇宙竜巻を解明…分子雲衝突によるブラックホールの活性化

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トルネード形成過程の模式図
  • トルネード形成過程の模式図
  • トルネードの電波写真
  • トルネード中心にあるブラックホールの質量の下限値(横軸は衝撃波速度、灰色は質量範囲)
 慶應義塾大学の研究チームは、謎の宇宙竜巻「トルネード」について詳細な電波観測を行った結果、その駆動メカニズムの解明に成功したと発表した。

 宇宙竜巻「トルネード」は、螺旋状の特異な形態を有する電波天体でその正体は不明とされている謎の天体だ。2011年、京都大学を中心とした研究チームにより、トルネード両端にX線を放射する高温プラズマの塊が検出されたことから、回転ブラックホールからの双極ジェットによって形成されたとする説が提唱されたが、そのブラックホールは現在活動しておらず、一時的活性化の原因は不明とされてきた。

 今回、慶應義塾大学理工学部の2013年卒業生 酒井大裕氏(現東京大学大学院修士課程)と、同物理学科 岡朋治准教授らによる研究チームは、国立天文台野辺山45メートル電波望遠鏡を用いて、ミリ波帯分子スペクトル線の高感度イメージング観測を行い、視線速度が異なる2つの分子雲を検出、分子雲から衝撃波起源のメーザー放射が行われていることを確認した。これらはトルネードに付随し、激しく衝突している証拠や大きな速度差と相補的な空間分布から、分子雲同士が過去に激しい衝突を起こしたものと推測できるという。これらのことから、トルネードの駆動源が、分子雲衝突で形成された衝撃波が30太陽質量以上のブラックホールを通過する際に発生する「Bondi-Hoyle-Lyttleton降着流」による重力エネルギー開放であるという考えられるという。

 なお、研究成果は8月20日発行の米国の天体物理学専門誌「The Astrophysical Journal」に掲載される予定。
《水野こずえ》

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