【大学と就職】保護者が気にする就職実績、大学・学部の影響度

 ここ数年、内定取り消し、新卒3割3年問題、ブラック企業など、就職活動にまつわる様々な問題がテレビや新聞などで多く取り上げられてきた。そのためか、最近は、我が子の就職活動に対する保護者の関心も高まっているように思う。

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短大等卒・大学卒の「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」
  • 短大等卒・大学卒の「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」
  • 子供の大学入学時の選択基準
  • 企業が採用基準で重視する項目
 ここ数年、内定取り消し、新卒3割3年問題、ブラック企業など、就職活動にまつわるさまざまな問題がテレビや新聞などで多く取り上げられてきた。そのためか、最近は、我が子の就職活動に対する保護者の関心も高まっているように思う。

 とはいえ、そうした話題性や噂に振り回されてばかりではいけない。たとえば、新卒3割3年問題は、ここ数年に限った話ではない。厚生労働省の発表した「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」によれば、平成6年卒以降は、ずっと3割を超えている(平成21年卒を除く)。しっかり、自身で情報の真偽や必要な情報の見極めを行うことが必要だ。それでこそ我が子のためになるアドバイスもできる。

◆保護者が見ている就職実績の見極めポイントは間違っている

 就職情報サイトを運営するマイナビの行った「就職活動に対する保護者の意識調査」(2014年5月)によれば、我が子の大学選びの際、大学の就職実績を重視している保護者は3割ほどいるようだ(※同調査の「6)子供の大学入学時の選択基準」Q2の「かなり重視した」「ある程度重視した」の回答者割合)。そのうち、重視しているポイント上位5つは、以下のように並ぶ。

・学部ごとの就職率:29.5%
・就職先の企業名(全国的な企業):21.6%
・学部ごとの就職先業界:18.8%
・取得できる資格の種類や内容:9.7%
・学部ごとの就職者数:6.8%

 しかし、残念ながら、こうしたポイントは就職活動において、あまり重要ではない。ここから、保護者が重視しているポイントと、就職活動で実際に重要なポイントのズレが生じていることがわかる。

 そこでまず、ここに並んだ「大学名や学部・学科」、「資格」についての誤解を解いておきたいと思う。

◆大半の企業は、大学名や学部・学科を重視していない

 まず、特定の大学や学部・学科に所属しているから就職に有利に働く、ということはほぼない。

 リクルートキャリアの就職みらい研究所が発表した「就職白書2014」によれば、学生の所属する「学部・学科」を重視しているのは、25.8%。言わば、4社に1社だ。それほど高いパーセンテージではない。大学名に至っては、20%を割り込んでいる。確かに教授推薦や学歴フィルターといった、学歴や所属学部・学科などが採用に大きく影響するケースもある。だが、それは所詮レアケースだ。大半の学生(特に文系の学生)にとって、大学名や学部・学科といった要素は、そこまで大きなアドバンテージにはならない。
《高嶌悠人》

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