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【AO入試の基礎14】これからの大学入試とAO入試

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今さら聞けない!AO入試の基礎知識
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 AO入試や推薦入試を受ける予定の子どもの保護者の質問に、教員経験をもち、総合キャリア支援団体「MyCareerCenter」を運営する岡村洋平氏が答える連載「AO入試の基礎」。第14弾では、近年の大学入試改革の議論から見たAO入試の位置付けについて話を聞いた。

◆これからの大学入試は、今のAO入試に近づいていく?

 大学受験のAO入試は、今の保護者世代にはそれほど馴染みのない入試だと思います。それもそのはず、AO入試が導入されたのは90年代からで、多くの大学で実施されるようになったのは2000年代になってからだからです。保護者の世代にとって、そして現在も一部の難関大学や人気の大学については大学入試といえば教科に関しての筆記試験だというのがひとつの「常識」だと言えるでしょう。しかし、これからの大学入試では、その常識が変わっていくことが予想されています。

 現在、文部科学省の「高大接続システム改革会議」において、大学入試改革の議論が進んでいます。そこでは、大学入試が「筆記試験で測る学力による一発勝負」的なものから、高校生活で取り組んできた活動や、これから学んでいく意欲など、学力以外の多面的な能力・適性を評価するものに変えていく方向で議論が進んでいます。

 具体的には、現在のセンター試験に代わる新たなテスト(大学入学希望者評価テスト、仮称)で学力を評価する一方、各大学の個別試験では、今のような筆記試験だけではなく、面接や小論文、集団討論やプレゼンテーション、さらには大学での学習計画の提出などが課され、評価されるようになっていくことがめざされています。大学入試のほとんどが、現在のAO入試と同じように、各大学ごとに多様で受験生一人ひとりに多面的な評価が行われるものへと変化していくわけです。

 もっとも、2015年9月に出された「中間まとめ」の中では、こうした変化は一度にすべてを変えていくようなものではなく、段階的に変えていくことが示されています。とはいえ、大学入試の“常識”を、今のAO入試のようなやり方に変えていこうとすることからは、AO入試で求められる能力・資質は、今後の社会で求められる力であるということではないでしょうか。

◆数年後には国立大学でも、AO入試が合格者の3割になることが目指されている

 文科省の議論とは別のところでも、入試について次のような改革プランがあります。国立大学協会は、2015年の9月に2020年度までの期間で推薦入試やAO入試、海外の大学の入学資格「国際バカロレア」取得者を対象にした入試の合格者を定員の30%を目標に拡大していくことを示しています。ちなみに2015年度現在、推薦入試とAO入試による合格者の割合は約15%なので、これを一気に倍増させる計画です。実感値に置き換えると、約7人に1人だったところを、約3人に1人にまで引き上げていくわけです。もちろん、割合の上では一般入試の方が多いですが、少なくとも、AO入試や推薦入試での合格者が少数派だという印象はなくなるでしょう。

 「各教科の学力を測る筆記試験による入試」という点では長らく変わってこなかった大学入試ですが、近年、社会に出てから求められる力が大きく変わってきたことや、各大学が優れた研究を行うために多様な資質能力を持った学生を集めるために、筆記試験だけに依らない入試が今後はより増えていくことは確実。保護者も大学入試イコール一般入試(=筆記試験)へとだけ考えるのではなく、あるいは、一般入試では合格が難しそうだからといった理由ばかりではなく、積極的で前向きな選択肢のひとつとしてAO入試の受験を検討するべきではないでしょうか。

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 連載「AO入試の基礎」は、AO入試や推薦入試を、学生やその保護者が受験をする際の「前向きな選択肢のひとつ」にするべく掲載されるシリーズ。次回以降も、AO入試について役立つ情報を取り上げていく。
《編集部》

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