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国立大の交付金削減「充実・確保は不可欠」、中教審が緊急提言

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国立大学法人の運営費交付金予算額の推移
  • 国立大学法人の運営費交付金予算額の推移
  • 国立大学の教員数と常勤教員人件費の推移
  • 国立大学法人の運営費交付金、補助金等獲得状況の推移
  • 国立大学法人等の経常収益の推移
 中央教育審議会は10月28日、高等教育予算・確保に係わる緊急提言を発表した。財政制度等審議会が国立大学法人運営費交付金を削減すべきという考えを示しているが、大学が果たす役割を満たすために「機械的な削減ではない交付金等の充実・確保するべき」と提言した。

 財政制度等審議会は、「財政健全化計画等に関する建議」で国立大学の教員数や国立大学全体の収入額・事業規模が年々増加し、国費負担額が法人化当時と比較して約1,500億円増加していると指摘。そのため、運営費交付金を今後15年間毎年1%、機械的に削減するべきという考え方を示している。

 しかし、生産年齢人口が減少するなか大学が果たす役割が重要なことや、運営交付金の過去12年間の約12%(1,470億円)の削減で若手育成などの教育研究基盤に深刻な影響を与えており、さらなる長期間の削減は、授業料の値上げや大学の安定的な経営に支障をきたす恐れがあるとしている。政府が目指すGDP拡大、「一億総活躍社会」「地方創生」の実現は、「知」の創造がなければ不可能であり、高等教育への投資の削減は、将来に対し禍根(かこん)を残すものだという。

 そこで、同審議会は緊急提言として「国立大学法人運営費交付金の機械的な削減ではなく、自己変革を進める大学を積極的に支援し、教育研究および社会貢献機能の強化を図るために、国立大学法人運営費交付金等を充実・確保すべきである」と公表した。

 国立大学は、世界最高水準の教育研究の推進、先導的・実験的な教育研究の実施、社会・経済的な観点からの需要は必ずしも多くないが、重要な学問分野の継承・発展、全国的な高等教育の機会均等の確保に重要な役割が期待されている。そのため、戦略的な資源配分、多様な財源確保などの大学運営を行うほか、文部科学省も各大学の特色を発揮させるための支援枠組みを設定。予算での重点支援を行う改革を進めようとしているため、運営費交付金の充実・確保は不可欠であるという。

 今回の中央教育審議会の提言は、財政制度等審議会の削減提案に関する見解を表明。第2期教育振興基本計画や教育再生実行会議第8次提言で教育投資の重要性が指摘されていることから、今後の日本社会の発展を支える人材育成や「知」の創出機能の低下を招きかねないと強調している。
《田中志実》

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