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東京都のいじめ認知件数、2年連続の減少…初期にいじめ認知

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東京都教育委員会
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  • 「いじめの認知件数および対応状況把握のための調査」結果(概要)
  • 「いじめの認知件数および対応状況把握のための調査」結果(概要)
  • 「いじめ総合対策」の改訂の方向性について 中間答申(概要)
 東京都は12月10日、平成27年度東京都公立学校における「いじめの認知件数および対応把握のための調査」結果を公表。いじめの認知件数は2年連続で減少し、認知したいじめの態様では「冷やかしやからかい」がもっとも多く、比較的軽微な段階で認知できていることがわかった。

 いじめの認知件数および対応把握のための調査は、平成27年4月1日から6月30日までの期間(基準日:6月30日)、東京都の公立小学校1,292校、中学校627校(中等教育学校前期課程6校を含む)、高等学校192校(237課程、中等教育学校後期課程6校を含む)、特別支援学校62校、合計2,173校を対象に実施。

 1校あたりの1か月の平均認知件数は、小学校0.36件、中学校0.74件、高校0.04件、特別支援学校0.03校。全校種で2年連続の減少となったが、教育委員会では実際のいじめが減少したのか、認知しようとする姿勢が弱くなったのかを多角的に検証することが必要としている。認知したきっかけでもっとも割合が高いのは、小・中学校では「アンケート調査により発見」、高校では「子どもからの訴え」だった。また、「学級担任が発見」については、全校種で昨年度より増加しており、学級担任の役割が大きいことがわかる。

 いじめのおもな態様では「冷やかしやからかい」が全校種でもっとも多く、小学校70.8%、中学校64.2%、高校53.8%。いずれも昨年度より29.7~32.1ポイント増加しており、いじめが比較的軽微な段階で認知できている表れだという。「パソコンや携帯で誹謗中傷」の割合は校種があがるごとに増える傾向にあり、中学校では5.9%だったのが高校では38.5%に上昇している。

 認知されたいじめに対応するのは「学級担任」の割合が高く、小学校では9割以上となった。一方、「学校いじめ対策委員会」の割合は小学校で35.7%、高校でも53.8%と、複数回答であることを考えると、学校いじめ対策委員会の対応事例はもっと多くなるべきだとしている。

 各教員が把握した情報を全職員が共有するための工夫で増加が目立ったのは、「パソコンの共有フォルダに保存など情報共有」で、小学校では昨年度の19.7%から54.2%に、中学校では昨年度の38.3%から67.8%に上昇した。しかし、まだ不十分であるとしており、記録保存を学校ごとに徹底することを求めた。

 いじめの疑い事例について、いじめであるかどうか判断できない理由では、いずれの校種でも「再発がないかどうか注視、経過観察中」が昨年度より増加し、「状況を話したがらない」が減少した。これは、再発がないか慎重に注視しようとする学校の姿勢が強くなっていること、相談しやすい環境づくりが推進された成果と考えられるという。今後は、学校いじめ対策委員会が、いじめの定義にもとづき、いじめが確実に解消されたかを判断する必要があるとしている。

 また、東京都教育委員会は平成26年10月31日に、東京都教育委員会いじめ問題対策委員会に対して、「いじめ総合対策」取組みの進捗状況の検証、いじめ防止等の対策を推進するための方策を諮問。平成27年12月10日に、「学校いじめ対策委員会の機能強化」「相談しやすい環境づくり」「インターネットを通じて行われるいじめへの対応」といった取組み改善の方向性を盛り込んだ中間答申を公表した。

 東京都教育委員会は今後、平成28年7月に行われる最終答申「(仮称)いじめ総合対策改訂案」に向けて、いじめを見て見ぬふりせず子どもたち同士が主体的に話し合い、解決できるようにするための指導の在り方などを審議する予定。平成28年12月には、「(仮称)いじめ総合対策改訂版」を策定する。
《黄金崎綾乃》

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