台湾中央研究院や国立天文台などのメンバーからなる国際共同研究チームは、すばる望遠鏡に搭載されたカメラ「ハイチャオ」を使って星と惑星が活発に成長していると考えられる現場を捉えることに成功した。今回観測された画像は、これまで観測されてきた赤ちゃん星と大きく異なり、3つの星では星周物質の分布に尾のような構造が見られ、さらにそのうちのひとつでは渦のような運動に伴うと見られる構造がある。別の星では中心星から複数の筋のような構造が伸びており、中心星でのバースト(突然の増光を伴う突発的な質量降着)が星周物質を吹き飛ばしたかのようにも見えるとしている。国立天文台では「あたかも、夢中に食べる人間の赤ちゃんが、ごはんを食べ散らかしているかのよう」としている。このような星周構造が赤ちゃん星のまわりで観測されたのは、世界で初めて。新しい成果は、星と惑星系の誕生の謎を解く上で重要な手がかりになるとしている。今回の研究成果は、アメリカの科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に掲載された。