【話題】デザインに魅せられ「ひらがなごー」小学4年生の自由研究がすごい

 大変だった夏休みの宿題。立派に仕上げた2016年の成果物の中でも、Twitterを中心とするSNSで話題を読んでいる作品が「ひらがなごー」だ。デザイン文字の図鑑「よきかな ひらがな」に触発され、ポケモンGOの名をもじったという作品を紹介しよう。

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 大変だった夏休みの宿題。中でも、読書感想文と工作、自由研究には多くの親子が苦労したことだろう。ネット上で紹介される成果物も出始めており、さまざまな作品が話題の的になっている。中でも、Twitterを中心とするSNSで好評なのは「ひらがなごー」だ。さて、一体どんな作品か。

◆歩いて撮って、ひらがなゲット

 「小さいころから文字のデザインが大好き」だったと語るのは、小学4年生の男児Eくん。かねてより文字に関する書物を愛読しており、特に今回の自由研究では松村大輔氏による著「まちの文字図鑑 よきかな ひらがな」(大福書林)をヒントにしたそうだ。作り上げたのは、デザインがあしらわれたひらがなを収集し、あいうえお順に並べた「ひらがなごー」。

 「ひらがなごー」の名前は、世界的ブームとなったスマホゲームアプリ「ポケモンGO」に由来する。自分の足で歩き、見つけたデザイン文字を撮影、収集し、コメントを添えて模造紙にまとめた。どのひらがなでも「この『ら』はもう『5』になりそうだけど、それはそれでおもしろい。」「あえて、三画目をよこにしたことによって、字のバランスがよくなった。」などのデザイン批評や、驚いたデザインや好きな理由を細かく述べている点が素晴らしい。利用されているシーンや商品によってデザインがどのような役割を果たしているかを“研究”しているひらがなもあり、Eくんの意気込みが伝わってくるようだ。

◆出版元、著者からも絶賛の声

 完成に際し、Eくんは「嬉しかったことは『あ』から『ん』まで並べたときに『やったー!』と思えたこと」と語る。デザインされた文字はひらがなより「カタカナのほうがいっぱいあった」そうで、悔しかったのは「を」を集められなかったこと。

 友人や先生からも褒められたようだが、ネットではさらに「文字への思いの熱量がすごい」「採集センスもさることながら、(名前部分など)『分かったこと&感想』あたりのマーカーさばきにもすでに大器の貫禄」など、多くの賞賛が寄せられている。

 作品の評判はついに「よきかな ひらがな」の作者、松村氏にも届いた。Eくんの母親が作品を公開したところ、出版元の大福書林から反応があったという。Eくんの母親も「Twitterで、著者の松村大輔さんと出版社の大福書林さんに見ていただいて、喜んでいただきツイートしていただいて…」とコメント。また、「こんなにたくさんの人に『いいね』していただいた体験が自信になるし、今後の息子の人生に、いい影響を与えてくれると思います」と、夏の自由研究を通し成長した我が子や、子どもの活動を支える周囲への感謝の気持ちを語った。

 読書感想文と並び、夏休みの二大宿題とも称される夏休みの自由研究。自分の好奇心や興味をもとにテーマを決定し、決めたことを最後までやりきる姿勢は子どもにとってかけがえのない経験になるだろう。過去には文房具への興味をまとめた山本健太郎くんの自由研究「文房具図鑑」が話題になり、2016年には書籍化も実現したことが記憶に新しい。「ひらがなごー」はまさに、探究心を持って完成させた立派な研究成果。早くも来年の研究が楽しみだ。
《佐藤亜希》

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