子どもの教育費用、8割以上の家庭は「負担」…日本生協連調査

 日本生協連の調査によると、今後の子どもの教育費用に「負担」を感じている人が20~40歳代で8割以上にのぼることが明らかになった。現在の子どもの教育費用に負担を感じている人が多いのは40~50歳代だった。

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現在の教育費用の負担感(年代別)
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  • 奨学金に関する情報の認知
  • 奨学金に関する情報の認知(年代別)
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 日本生協連の調査によると、今後の子どもの教育費用に「負担」を感じている人が20~40歳代で8割以上にのぼることが明らかになった。現在の子どもの教育費用に負担を感じている人が多いのは40~50歳代だった。

 「教育費や奨学金制度に関するアンケート」は、子どもを持つ人が多い生協の組合員に対し、家庭における教育費負担への意識や、現在の奨学金制度への理解、意識、要望を明らかするために実施したもの。インターネット調査により、2,675件の有効回答を得た。調査期間は9月21日~10月23日。

 現在の子どもの教育費用の負担感について、「かなり負担を感じる」「やや負担を感じる」と回答した人が多かったのは40~50歳代で、7割以上が不安を感じていた。一方、今後の子どもの教育費用の負担感を年代別に見ると、20~40歳代で「かなり負担を感じる」「やや負担を感じる」が合わせて8割以上にのぼる。「かなり負担を感じる」だけでも4割を超えており、将来の教育費負担に対して多くの人が不安を感じていることがわかった。

 大学進学費用や奨学金の実情について6つの項目を調査したところ、「国の試算では国立大学の授業料が15年後に40万円近く値上げされること」について85%が「知らない」と回答、「先進諸国の中で公的な給付型奨学金がないのは日本だけ」について56%が「知らない」と回答した。年代別に見ると、30代~40代前半が多くの項目で「知らない」と回答しており、就学前~中学生の子どもを育てていると考えられる世代が奨学金をめぐる実情について一番知らないという結果となった。

 親本人(回答者)が奨学金を利用していた割合は全体の18%。34歳までの回答者では3割を超えている一方で、45~69歳の回答者は2割に満たず、年代により大きく差があることがわかった。月々の貸与額は「3万円未満」が最多だった。

 「子どもが奨学金を利用している(いた)」は、全体の約3分の1。月々の貸与額は「3万~5万円未満」「5万~8万円未満」の順に多かった。また、少数ではあるが「15万円以上」という回答もあった。

 アンケートの自由記入欄には半数以上が記載しており、子どもの教育費や奨学金について、きわめて高い関心が高いことがうかがえる。自由記入欄には、「大学の授業料が、昔に比べてかなり高くなっていると感じる。親の収入で、子どもの進路が狭くならないようにと、プレッシャーを感じている(35~39歳)」などの声が寄せられたという。

 なお、今回の報告書は中間集約で、9月21日~11月30日の回答分も取りまとめ、12月に確定版が公表される予定。
《外岡紘代》

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