教育関連業者の倒産、過去最悪に迫るペース

 2016年の教育関連業者の倒産は、11月末時点で77件と過去最多に迫るペースであることが、帝国データバンクが12月8日に発表した調査結果より明らかになった。少子化や大手との競合により、小規模業者の倒産が目立つという。

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教育関連業者の倒産件数推移(グラフ)
  • 教育関連業者の倒産件数推移(グラフ)
  • 教育関連業者の倒産件数推移(表)
  • 教育関連業者の負債総額推移(表)
  • 業種別の倒産件数上位ランキング(2014年~2016年)
  • 資本金別の業種別の倒産件数(2008年~2016年)
 2016年の教育関連業者の倒産は、11月末時点で77件と過去最多に迫るペースであることが、帝国データバンクが12月8日に発表した調査結果より明らかになった。少子化や大手との競合により、小規模業者の倒産が目立つという。

 教育関連業者の倒産動向調査は、学習塾、予備校、語学教室、資格取得スクールなどの教育関連サービスを主業とする企業(教育関連業者)について、2000年~2016年11月末までの倒産動向(負債1,000万円以上の法的整理を対象)について分析したもの。同様の調査は今回が初めて。

 2016年1月~11月末の教育関連業者の倒産は77件発生しており、2000年以降で最多となった2009年の93件に迫るペースで推移。負債総額は35億9,700万円と、すでに前年を上回っている。企業の倒産件数全体では2009年をピークに減少傾向が続くなか、教育関連業者の倒産は2015年より増加傾向にある。

 業種別にみると、教育関連業の倒産77件のうち、「学習塾」が31件ともっとも多く、全体の40.3%を占めている。ついで「資格取得スクール」11件(構成比14.3%)、「パソコン教室」5件(同6.5%)。学習塾は、少子化で生徒数の確保に苦戦するなか、大手との競合で経営が立ち行かなくなるケースが増えているという。

 資本金別にみると、「100万~1,000万円未満」が38件ともっとも多く、全体の49.4%を占めている。ついで「1,000万~5,000万円未満」17件(構成比22.1%)、「個人経営」14件(同18.2%)。一方「1億円以上」(学校法人や大手進学塾を含む)は、2015年以降は倒産が発生しておらず、小規模業者の倒産が顕著となった。

 近年、好きな時間に自由に学習できるオンライン形式の学習スタイルが普及していることから、今後はIT化による新たな競争や淘汰が進む可能性があり、教育関連業者の倒産は引き続き増加が見込まれるという。
《工藤めぐみ》

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