【高校受験2017】東京都立高校入試<国語>講評…難度は昨年並み

 リセマムでは、SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査の「国語」の講評を速報する。

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【高校受験2017】東京都立高校入試<国語>講評…難度は昨年並み
  • 【高校受験2017】東京都立高校入試<国語>講評…難度は昨年並み
 平成29年度東京都立高等学校入学者選抜(都立入試)の学力検査が2月24日に実施された。全日制募集人員31,995人に対し最終応募人員は48,152人で、応募倍率は1.50倍だった。リセマムでは、SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査の「国語」の講評を速報する。このほかの教科(全5教科)についても同様に掲載する。

◆<国語>講評(SAPIX中学部 提供)
 難度は変わらず、傍線部周辺の精読がポイント。

[1]漢字の読み取り
 今年の出題レベルは例年通り標準的なものでした。ここでの失点は防ぎたいところです。

[2]漢字の書き取り
 この大問の出題レベルも例年通り標準的なものでした。同音異義語との混同を避けるために例文をきちんと読むことが大切です。

[3]あさのあつこ『一年四組の窓から』
 将来の夢を抱いた主人公の成長と彼を取り巻く人々とのやりとりを描いた小説文でした。主人公が中学生であること、会話文や主人公の心情描写が多いことから、受検生にとって読みやすい文章だと言えます。問いはすべて記号選択で、一昨年まで頻出だった記述問題は今年も出ませんでした。しかし、行動や比喩表現から登場人物の心情を読み取らせるという問いの傾向に変化はありません。

[4]原田信男『日本人はなにを食べてきたか』
 食生活史をめぐる現状と今後の可能性について述べた論説文でした。記号選択はいずれも、傍線部の周辺を精読したうえで選択肢を比較検討すれば解答しやすいものでした。制限字数200字以内の作文は、この文章をテーマにして自分の意見を発表するときに話す言葉を書くというものでした。文章の主題をふまえ、具体例を挙げて自分の意見を述べる必要があります。作文に十分な時間を確保するために、いかに素早く読解するかがポイントでした。

[5]森澄雄・廣田二郎『芭蕉と現代』/『芭蕉全集』
 松尾芭蕉の著名な句についての対談と、その句が成立した過程について述べた古文という2つの文章が出題されました。古文には現代語訳が付されているため、難度の高い古文の知識は求められていませんでしたが、歴史的仮名づかいに関する問題が昨年に引き続き出されました。問いはすべて記号選択で、ここでもやはり傍線部周辺の精読が求められました。
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 このレポートは、2017年2月25日に速報としてSAPIX中学部が作成したもの。

 SAPIX中学部では、新小学6年生、新中学1・2・3年生とその保護者を対象に、「高校入試分析会 地域別入試概況(東京・神奈川・埼玉・千葉・関西)」を3月11日(土)より順次実施する。2017年入試の概況やトピックス、また、来春の入試について地域別に説明する。3月22日(水)には「志望校別データ分析(都立日比谷・西高)」を実施し、両校の出題傾向や対策のほか、合否を分けた科目などについて、データに基づいた内容を解説する。詳細、申込方法はSAPIX中学部Webサイトにて確認できる。

協力:SAPIX中学部
《編集部》

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