H28年度中学3年生、7割は英語「話すこと」に課題

 文部科学省は7月28日、平成28年度「英語教育改善のための英語力調査事業(中学校)」報告書を公開した。中学生3年生の英語4技能を調査したところ、約70%の生徒は「話すこと」において考えや経験に基づき意見を述べることに課題があった。

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国立・公立学校全体の技能別調査結果 国立・公立学校全体のスコア分布 画像:平成28年度「英語教育改善のための英語力調査事業(中学校)」報告書
  • 国立・公立学校全体の技能別調査結果 国立・公立学校全体のスコア分布 画像:平成28年度「英語教育改善のための英語力調査事業(中学校)」報告書
  • 公立学校の技能別調査結果 公立学校のスコア分布 画像:平成28年度「英語教育改善のための英語力調査事業(中学校)」報告書
  • 画像:平成28年度「英語教育改善のための英語力調査事業(中学校)」報告書
 文部科学省は7月28日、平成28年度「英語教育改善のための英語力調査事業(中学校)」報告書を公開した。中学生3年生の英語に関する4技能を調査したところ、約70%の生徒は「話すこと」において考えや経験に基づき意見を述べることに課題があることがわかった。

 調査は平成28年6月末から7月にかけて、全国の中学校および中等教育学校前期課程の第3学年約6万人を対象に実施。「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」の4技能のうち、「話すこと」については1校あたり1クラスを対象に、約2万人について調査した。英語学習に関する意欲や関心、学習状況のほか、調査対象校の英語担当教員に対し指導や研修の参加状況を質問している。

 英語力の測定には「CEFR(Common European Framework of Reference for Languages:ヨーロッパ言語共通参照枠)」を参照。質問紙「英語CAN-DOアンケート」の回答とCEFRの各A1~A2レベルをもとに、さらにA1レベルは3段階、A2レベルは2段階に細分化し、Pre-A1レベルを追加して算出した。

 調査の結果、国公立学校全体のスコアを見ると、書くことと話すことのA1上位以上の割合は30~40%、読むことと聞くことの割合は20%程度だった。公立学校について見ると、書くことと話すことのA1以上の割合は30~50%、読むことと聞く事の割合は20%で、平成27年度調査と変化なかった。

 話すことについて見ると、話すことのテストスコアが高い生徒ほど「英語が好きである」と回答する割合が高い。英語の学習は好きか、との問いに、A1上位の44.3%、A1下位の16.7%が「そう思う」と回答した。

 なお、報告書によると、話すことについては約90%の生徒が「聞き手がある程度理解できる発音、リズム、イントネーション、速度、声の大きさで発話することができる」。ただし、約70%の生徒は個人の考えや経験に基いて意見や理由などを述べることに課題があるとされている。

 調査結果はすべて文部科学省Webサイトで確認できる。
《佐藤亜希》

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