新潟大学は2023年7月18日、2023年度（令和5年度）一般選抜（前期日程）で合否判定に誤りがあったことを公表した。大学入学共通テスト（以下、共通テスト）と個別学力検査の得点を合算すべきところ、受験者2人の共通テストの得点を合算せずに合否を判定。当初不合格となっていた1人を合格者にしたという。
2023年度新潟大学一般選抜（前期日程）は、2023年2月25日から27日に個別学力検査を実施。3月8日に合格者を発表した。
6月1日から入学試験成績の情報開示を行ったところ、6月1日に1人の受験者から「共通テストの得点が成績に反映されていないのではないか」と問合せがあり、大学入試課が合否判定資料をあらためて点検。共通テストの「数学」で、「簿記・会計」または「情報関係基礎」の科目を選択した受験者2人について、共通テストの得点が合算されていない合否判定資料が作成されていたことが判明した。
その後、入試情報システムのプログラムを検証し、不具合がないことを確認。共通テストの得点が合算されていなかった受験生2人の得点データを再集計したうえで、合否判定資料を作成し、あらためて合否を判定した結果、2人のうち1人を合格者とした。新たな合格者となった受験者については、6月5日に学長による認定を行い、合格通知書を送付。受験者2人に対しては、6月3日に謝罪と経緯説明を行ったという。
新潟大学では、新たに合格した受験者が入学を希望する場合、2023年4月の入学者と同時期に卒業できるよう最大限の配慮と履修支援を行うとともに、4月に入学していれば負担する必要のなかった費用などについて、受験者や家族と相談のうえ、社会通念上の補償を行うとしている。
なお、今回の事案を受け、全学部の2018年度（平成30年度）から2023年度（令和5年度）までの6年間の入学者選抜に係る入試情報システムに記録されているすべての得点データと合否判定資料を点検したが、今回の受験者2人以外に合否判定資料に誤りはなかった。また、2023年度入試では今回の受験者2人以外の合否に影響を及ぼすことはなかったという。
新潟大学は「厳正、確実であるべき入学試験においてこのような事態となり、受験者および関係者の皆様に多大なご心配及びご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」とコメント。今回の事案を受け、検証チームを設置し、ミスを招いた原因についてさらに検証したうえで、再発防止に向けた取組みを行うとしている。
