苦手な英語が得意に 受験に効く英字新聞

 20万部のベストセラー『東大読書』をはじめ、数々のヒット書籍を生み出してきた作家であり、教育起業家として活躍する西岡壱誠氏は、高校時代から日本語のヒント付きで読める週刊英和新聞「Asahi Weekly(朝日ウイークリー)」を購読。受験勉強に生かし、偏差値30台から見事に東大合格を勝ち取った西岡氏の英字新聞活用法とは。

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偏差値30台から見事に東大合格を勝ち取った西岡壱誠氏の英字新聞活用法とは
  • 偏差値30台から見事に東大合格を勝ち取った西岡壱誠氏の英字新聞活用法とは
  • 西岡氏は、東大受験に必要な地理を履修した高2のとき、先生の勧めでAsahi Weeklyを購読し始めた
  • 「Asahi Weeklyで生きた英語に触れていたことは、僕の受験では有利に働いた」
  • 「Asahi Weeklyは、英文でわからないところがあれば日本語訳をすぐ確認できるので、心が折れにくい」
  • 『News in 100 Words(100語で読むニュース)』は大学入試で求められる「迅速に読み進めながら大意をつかむ力」を身に付けるには最高の教材
  • デジタル版は音声機能付き。スピード調節ができるので、徐々にスピードを上げていくと良い
  • Asahi Weeklyは、デジタル版のみ「デジタルコース」または、紙面とデジタル版の両方「ダブルコース」が選べる
  • 「『これなら読めそう』『これは面白そう』という自分に身近な話題から、皆さんにとって『英語は楽しい』につながる入り口を是非見つけてください」と語る西岡氏

 英字新聞は大学受験に役立つのだろうか。

 20万部のベストセラー『東大読書』をはじめ、数々のヒット書籍を生み出してきた作家であり、教育起業家として活躍するカルペ・ディエム代表の西岡壱誠氏は、高校時代から週刊英和新聞「Asahi Weekly(朝日ウイークリー)」を購読。受験勉強に生かし、偏差値30台から見事に東大合格を勝ち取った。西岡氏に、その具体的な活用法について話を聞いた。

(インタビュー聞き手:リセマム編集長 加藤紀子)

英語が苦手だった僕がAsahi Weeklyを購読した理由

--西岡さんは、高校生のころからAsahi Weeklyを購読していたそうですね、きっかけは何だったのでしょうか。

 Asahi Weeklyを初めて手にしたのは、学校の地理の時間でした。僕が東大を目指そうと決めたのは、高2のとき。そこで遅ればせながら、学校の授業で東大受験に必要な地理を履修したところ、その先生が新聞マニアだったんです。

 毎回、授業で取り上げるテーマに関連した記事を色々な新聞から切り抜いてきてくれるのですが、ある日、手渡されたのがAsahi Weeklyでした。確かODA(政府開発援助)についての記事だったと思います。それを読んだとき、純粋に「面白いな」と。英語の新聞といっても、日本語訳が併記されているので読みやすい上に、記事の内容そのものが面白くて、「英語と社会の両方が学べるなんておトクじゃないか!」と魅力を感じました

西岡氏は、東大受験に必要な地理を履修した高2のとき、先生の勧めでAsahi Weeklyを購読し始めた

 東大を目指すと言っても、当時の僕の学力は偏差値30台。そんなところからの挑戦で、「受かるためには何でもやってみよう」と貪欲だったこともあり、すぐに購読を決めました。それに、今だから正直に言うと、「英字新聞を読んでいる姿って、かっこいいよね」という意気がった気持ちもあったんですけどね(笑)。

--そのころの西岡さんの成績はどうでしたか。

 とにかくひどかったです。特に英語は中1のスタート時点からつまずき、なぜか勉強しても成績は上がらず、学校の定期テストで1桁の点数だったことも。そのうち意欲まで低下してしまい、ほとんど勉強しなくなりました。

 中2の三者面談では、担任から「このままでは高校に上がれない」と言われる有様でしたが、生徒会役員をやっていたからか、学業以外で下駄を履かせてもらってなんとか進学できたという体たらくでした。高校でも英語は苦手で、今ではネタにしていますが、高校時代に受けたある模試では、英語がたったの3点。ちなみにその模試は難関大向けではなく、全国の高校生が受験する一般的なレベルです。僕がAsahi Weeklyに出会ったのは、そんな無謀な挑戦を始めたころでした。

--英語が苦手だと、新聞を英語で読むにはハードルが高いイメージがあります。継続は難しくなかったのでしょうか。

 とにかく続けることが大事だと思っていたので、学校の朝の読書時間を利用して読んでいました。毎日15分程度ですが、僕にとって「新聞は朝に読むもの」というイメージもあり、ちょうど良い朝のルーティンになりました。

 継続のコツとしては、「すべてを読まないといけない」と思わないことです。僕の場合、最初は地理に関する記事を中心に目を通していたのですが、英語で行き詰まっても日本語訳が隣に書いてあり、単語の用法や文法の解説なども載っていて、低い英語力でも助け舟がすぐそこにあるという感じなので、スモールステップで力がつく手応えがありました。同時に、時事的な知識もインプットできることもあって、毎日充実感がありました。

なぜ、受験勉強に英語の新聞が役立つのか

--Asahi Weeklyの記事は、「生きた英語」で書かれているのが特徴です。単語帳で学ぶ英語とはどのような違いがありますか。

 単語帳には、1つの英単語に対して複数の意味が書かれていますが、実際に受験生が覚えられるのはせいぜい1つか2つくらい。それも、書かれている通り丸暗記するのが一般的でしょう。しかし、新聞で使われているような文章では、単語帳だけでは覚えきれない意外な使われ方がされていることも多く、驚くことがありました

 たとえば、“develop”は「開発途上国(developing country)」のように「開発」という意味で覚えますが、個人のスキルの「向上」といった意味でも使われます。あるいは、“structure”には、「建設・建築」以外に、話の「構築」という使われ方もあります。新聞を読んでいると、すでに知っている単語でも、文脈に応じて「こういう使われ方もあるのか」と、まさに「生きた表現」に出会うことができるのです。

 実際、東大入試の英語では、重箱の隅をつつくような難解な単語は設問の対象にはなりません。むしろ、易しい単語であっても、文脈から正しくニュアンスを汲み取れているかどうかを聞いてくるので、単語帳を丸暗記するだけでは太刀打ちできないんです。その点、Asahi Weeklyで生きた英語に触れていたことは、僕の受験では有利に働いたと思います。

「Asahi Weeklyで生きた英語に触れていたことは、僕の受験では有利に働いた」

--2021年から大学入学共通テストが導入されました。今の大学入試の英語では特にどんな力が求められていますか。また、Asahi Weeklyを読むことで、その力はつきそうでしょうか。

 共通テストでは文法問題がなくなりました。一方で、問題文が長くなり、より実践的な英語の読解力が求められるようになりました。精読をしていては時間が足りず、迅速に読み進めながら大意をつかむ必要があるのですが、これには新聞を読むことが一番のトレーニングになります。

 また、入試では時事問題が多く扱われます新聞は時事ネタの宝庫なので、Asahi Weeklyなら英語に限らず、国語、社会、理科などの幅広い科目に対応できるでしょう。僕はAsahi Weeklyを読んでいると、入試問題を見ているような錯覚に陥ることがあります。実際に毎年、約20校の大学で入試問題にAsahi Weeklyが引用されているそうなので、少なくとも受験生は、早めに購入して読み始めることをおすすめしたいですね。

--大学受験では一般入試による入学者が5割を割り込む一方、総合型選抜が増えてきています。Asahi Weeklyを読むことは、総合型選抜においても有用でしょうか。

 総合型選抜においても大いに役立つと思います。僕は仕事柄、全国の高校に学習支援に出向いており、総合型選抜で受験予定の生徒からもよく相談を受けます。そこで、たとえば「大学で地方創生を手伝いたい」と言う生徒に、「地方創生の成功事例に、どんな地域があるか知っている?」と聞くと、どこも出てこなかったりするんです。総合型選抜では、自分で課題を見つけて探究する力が求められますが、探究にも十分なインプットがないと行き詰まってしまうのではないでしょうか。探究を深めていくには、十分な情報収集に加えて、多様な視点も必要です。その点、Asahi Weeklyは、週1回という負担の少ない頻度で、国内外のニュースがバランスよくまとまっているので、高校生には活用しやすいと思います。

西岡流のAsahi Weekly活用法とは

--Asahi Weeklyは、一般的な英字新聞とは違い、日本語ナビつきの「英和新聞」です。そのメリットは何でしょうか。

 大きく2つのメリットがあると思っています。まずひとつめは、英語の勉強という視点から。英語を学習中の人が、いきなり英語オンリーの素材では、いくら何でも難しすぎると思うんです。先ほども触れましたが、Asahi Weeklyは、英文でわからないところがあれば単語の意味などをすぐ確認できるので、心が折れにくいですよね。英文だけの英字新聞のようなものだと、知らない単語をひとつずつ辞書で調べたり、辞書を引いても意味がわからないような表現に出くわしたりしているうちに、ポキポキ心が折れていってしまうと思うのですが、Asahi Weeklyは読者がそうならないよう、絶妙なところに単語の意味や表現の解説が付いているんですよね。

 そしてもうひとつは、コンテンツという視点から。冒頭でお話しした通り、僕が購読を始めたころの英語力は散々な状態でしたので、実は最初はかっこよくAsahi Weeklyを広げながらも、日本語訳だけを読んでいたんです(苦笑)。受験用の問題集だと、日本語訳を読んでも文意が理解できないものもあって、一体自分は何を読んでいるのか、英語の勉強が苦痛に感じることもありました。でも、Asahi Weeklyの日本語訳は、さすが新聞社だけあって文章のクオリティが高く、記事のテーマも最新のトレンドから厳選されていて、日本語訳だけでも読んでいて楽しいし、勉強にもなりました

※Asahi Weeklyデジタル版では、同一ページで対訳が読める(一部を除く)

「Asahi Weeklyは、英文でわからないところがあれば日本語でのヒントをすぐ確認できるので、心が折れにくい」

 こうした2つのメリットを享受しながら、英語の文章にも慣れ親しんでくると、今度は日本語訳を見て英訳を思い浮かべてみるといったことにも挑戦するようになりました。日英併記だとすぐに確認でき、意外な英訳に「そうくるか」という発見もあって、英語を学ぶ楽しさを感じられるようになったんです。こういう使い方ができるのも、英和新聞ならではの便利さですね。

--Asahi Weeklyを受験勉強に役立てるという観点で、西岡さん流の活用術を教えてください。

 僕は地理の先生の影響でAsahi Weeklyを読み始めた経緯もあり、最初は地理に関する記事をコピーして、参考書に貼りつけていました。参考書に載っている抽象化された知識と、新聞に取り上げられた具体的な出来事とのつながりが見えて、自然と理解が深まりました。

 英語に関しては、「この単語は、こう使うのか」という表現に出会うと、単語帳に書き込んだり、その単語が載ったページに切り抜きを挟んでおいたりしました。また、新聞記事は洗練された文章が多いので、段落の構造や接続詞の使い方を意識して読むことで、リーディングやライティングのスキルアップにもつながったと思います。また、大学入試では、「この文章のタイトルはどれか」という選択問題がよく出題されるので、タイトルを隠して本文を読み、タイトルを予想するという読み方もおすすめです。

英語は毎日触れることで、必ず力がつく!

--初めてAsahi Weeklyを読む場合、どのコンテンツから読めば良いでしょうか。西岡さんのおすすめを教えていただけますか。

 3つのステップで始めてみてはどうでしょうか。

 まず、最初のステップは、会話文とコミック漫画会話文は英語の入試や資格試験には頻出ですし、「この話はどこがおもしろいのか」とオチを聞いてくる問題や、最後のコマのセリフを予想させる問題が入試で出題されたこともあります。朝日ウィークリーでは(スヌーピーが活躍する)「PEANUTS」のコミックが載っていますね。いずれも文章が短くすぐに読めるので、文化の違いなども発見しつつ、日英の表現を比較しながら読んでみると良いでしょう。

 2つ目のステップは『100語で読むニュース』。これは、まさに今の大学入試で求められる「精読ではなく、迅速に読み進めながら大意をつかむ力」を身に付けるには最高の教材です。共通テストでも数百~千語程度の長文が出題されますが、いきなりその長さを読むのは厳しいというレベルの受験生は少なくありません。そこでまずは、『100語で読むニュース』にざっと目を通して大意をつかむというトレーニングを積むことで、より長い文章にも対応できる力が身に付いてくるはずです。

『News in 100 Words(100語で読むニュース)』は大学入試で求められる「迅速に読み進めながら大意をつかむ力」を身に付けるには最高の教材

 そして3つ目のステップは、自分が興味をもてるテーマの記事。英語学習そのものを目的にするよりも、自分が好きな分野についての情報収集を目的にする方が楽しく続けられます。スポーツ、映画など、自分の好きなトピックからまずは読んでみてください。

--今年3月にはAsahi Weeklyのデジタル版ができました。スマホやタブレットで閲覧ができ、音声機能もより充実しました。使ってみて、特に良かった点はありますか。

 デジタル版の利点は、通学や通勤の合間に手軽に読めることですね。英語は毎日少しずつでも触れることが大切なので、その利点は大きいと思います。そして何より、語学は音声がとても重要です。僕は、日本人は静かに勉強しすぎだと感じています。特に言語は、赤ちゃんのように耳から音を聞き、口から真似て声に出して練習しないと身に付きません。デジタル版では音声のスピードが調整できるので、最初はゆっくりしたスピードで聞いて、徐々にスピードを上げていくのも良いでしょう。

音声を聴きながら文章を読むことで、シャドーイングの練習も可能

 ちなみに僕は、リスニング試験の前日には、音声を2倍速で聞くようにしていました。そうすると、テスト本番では音声がゆっくりと感じられ、聞き取りやすくなるからです。英検(3級以上)の一次試験でも配点の3分の1、社会人の多くが受けるTOEICでは配点の半分がリスニングです。リスニング力アップのためにも、デジタル版を活用したいですね。

--最後に、英語力を高めたいと思っている中高生に向けて、メッセージをお願いします。

 好きこそものの上手なれ。英語が超苦手だった僕が、東大に合格できるレベルまで駆け上がれたのは、これに尽きると思っています。「これなら読めそう」「これは面白そう」という自分に身近な話題から、皆さんにとって「英語は楽しい」につながる入り口を是非見つけてください。

デジタル版のみ「デジタルコース」or紙面とデジタル版の両方「ダブルコース」が選べる
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 私もかつてAsahi Weeklyを購読していた。購読目的は「英語の勉強」で、一生懸命に単語をチェックしながら読んでいた記憶がある。今回、西岡氏の話を聞いて、「目的が英語だけになっていたのは、非常にもったいなかったな」と感じた。Asahi Weeklyの活用方法はもっと広いし、深いし、自由だ。そんなことを気づかせてもらったインタビューだった。

《なまず美紀》

なまず美紀

兵庫県芦屋市出身。関西経済連合会・国際部に5年間勤務。その後、東京、ワシントンD.C.、北京、ニューヨークを転居しながら、インタビュア&ライターとして活動。経営者を中心に600名以上をインタビューし、企業サイトや各種メディアでメッセージを伝えてきた。キャッチコピーは「人は言葉に恋♡をする」。

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