メドピアとZEROGATEは2023年12月22日、ZEROGATEに関わる医学生116名に対して実施した「医学部卒業後のキャリア」の調査結果を公表した。キャリアで重視する点は、1位「やりがい／社会的貢献」、2位「収入」、3位「ワークライフバランス」であることが明らかとなった。
メドピアとZEROGATEは2023年10月12日～14日の期間、ZEROGATEに登録している医学部1～6年生を対象に「医学生のキャリアに関する調査」を実施。有効回答は116名。回答学年は、6～4年生75%、3～1年生25%で、高学年の学生の回答が多く集まったという。なお、構成比は小数点以下第2位四捨五入のため、合計しても必ずしも100とはならない。
医師の働き方改革が、2024年4月より始まる。時間外業務は、原則として年間960時間に制限されることになる。医師のキャリアとして、昨今では起業も珍しくない。今回の調査では、働き方改革やキャリアの多様化など医師を取り巻く環境が変わっていく中で、医学生は卒業後のキャリアについてどのように考えているのかが明らかになった。
「医学部卒業後のキャリア」についての調査では、9割以上の医学生が「医師として勤務」と回答。ついで「起業（5.2％）」となったが、現時点ではほとんどの医学生が卒業後に医師としての勤務を望んでいることがわかった。「医師として勤務」と回答した人に、「医師として希望する勤務形態」について調査したところ、「勤務医（56.5％）」「開業医（30.6％）」となり、医学生の多くは勤務医もしくは開業医を希望していることが明らかとなった。
ZEROGATEの医学生は、「医学部卒業後は臨床に進み、その後勤務医または開業医としてキャリアを歩むことが、現在もスタンダードであることがわかる。アンケートにおいては、卒業後のキャリアは『大学院に進学（0.9%）』『医師以外の一般企業で勤務（0.9%）』よりも『起業（5.2%）』の回答が多いという結果になった」と考察した。
医学生が卒業後のキャリアで重視する点についての調査では、1位「やりがい／社会的貢献（73.3％）」、2位「収入（69.0％）」、3位「ワークライフバランス（64.7％）」、4位「自身／スキルの成長（60.3％）」という結果となった。
現時点で希望する診療科は、1位「小児科（25.0％）」、2位「循環器内科（23.1％）」「整形外科（23.1％）」、4位「消化器内科（21.3％）」。また、医学生が考える花形診療科は、1位「心臓血管外科（56.0％）」、2位「脳神経外科（46.6％）」、3位「循環器内科（45.7%）」であった。
ZEROGATEの医学生は、「卒業後のキャリアで重視する点の調査では、やりがいや社会的貢献を求めつつも、同時にワークライフバランスや収入も重要視する傾向があることから、バランスの良い職場環境を望む医学生が多いのではないか。また、医学生が考える花形診療科1位の心臓血管外科は、希望診療科のランク外、花形診療科2位の脳神経外科も希望診療科では10位という結果になっている。さらに、花形診療科では10位外となった小児科、産婦人科、皮膚科などが希望診療科として上位にランクインしている。医学生にとって、花形診療科にはやりがいがあるが重労働というイメージがあると推測され、収入と並んでワークライフバランスを重視する傾向がある医学生にとって、花形診療科が希望診療科とはならないケースもあることが推測される。しかしながら、社会課題が大きい小児科や産婦人科を希望する医学生も多く『やりがい／社会的貢献』を重視するとの医学生の回答とも合致する結果となった」と考察した。
「医師の働き方改革に関する認知度」の調査では、「聞いたことがあり、具体的な内容まで知っている（31.0％）」「聞いたことはあるが、具体的な内容までは知らない（66.4％）」と97.4％が認知している結果となった。調査に参加した医学生らは、「医師の実際の勤務時間をどのように記録していくかが気になる。所謂（いわゆる）自己研鑽とどう区別するのか」「医師は働く時間が長いので年収が良いため、働き方改革で働く時間が制限されると収入が減ってしまうと考えている」などとコメントしている。
調査結果の詳細は、Webサイトにて確認できる。
