創立150年を見据え「前へ」と進化する明治大学の新たな学びのかたち

 2022年4月にオープンした明治大学 和泉(いずみ)キャンパスの「和泉ラーニングスクエア」を訪問。3名の現役学生に当施設の紹介や利用するメリット、実際の学生生活などについて聞いた。

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今回、和泉LSを紹介してくれた3人の現役学生
  • 今回、和泉LSを紹介してくれた3人の現役学生
  • 入ってすぐに開放的な空間が広がる。大きな階段も印象的。
  • ラーニングコモンズ(センターアゴラ)は、リラックスできるオープンスペース。
  • 和泉ホールは約600人収容可能。授業だけでなく学園祭などでも利用されている。
  • 机や椅子がないカイダン教室。吹き抜けになっていて大きなスクリーンをおろすことができる。
  • 小教室にもプロジェクターやスクリーンが整備されている。
  • 協働学習に利用できるカラフルなグループボックス。
  • ラーニングサポートベースでは修士生から学習アドバイスを受けられる。

 今、日本の大学には、学生が自主的に学びに取り組み、グループによる議論などを通じた知の共有から学問を追究していくための教育環境が求められている。

 明治大学の法学部・商学部・政治経済学部・文学部・経営学部・情報コミュニケーション学部の1~2年生と大学院生が学ぶ「和泉(いずみ)キャンパス」に2022年4月、「和泉ラーニングスクエア(以下、和泉LS)」がオープンした。新しい時代のキャンパスとして、学生たちの学びと交流の場になっている。高校生向けのキャンパスツアーを実施している現役学生3名が和泉LSを紹介。さらに、明治大学での学生生活について話を聞いた。

新しいキャンパスのあり方を追求した「和泉LS」

 自ら未来を切り拓く「前へ」をスローガンに掲げる明治大学が、2022年4月に新校舎「和泉LS」をオープンした。入口を抜けるとすぐに広がる、開放的な吹き抜けの空間に圧倒される。1階中央の「ラーニングコモンズ(センターアゴラ)」は、自宅リビングのようにリラックスして過ごせるオープンなスペース。大型モニターやホワイトボードも整備されている。大教室の「和泉ホール」は約600人が収容できる大教室で、大人数の授業だけでなく学園祭などにも利用されているという。

 2階と3階を吹き抜けにした「カイダン教室」は机も椅子もない。自由に座れる階段とプレゼンテーション用のスクリーンで対話や議論が展開される。カウンターや個別席などの学生が座るところには電源やUSB給電が設置されWi-Fiも利用可能。「グリーンテラス」は天気の良い日ならば眺望も良く、憩いの場にもなっている。

 「グループボックス」は学生の用途にあわせて少人数で利用ができる。話合いや協働して何かをまとめたり、クリエイティブな取組みを行ったりするのにも優れた空間となっている。また階段の下にある「プレゼンテーションラウンジ」にはカウンターやベンチ、モニターが設置され、オープンなスペースでプレゼンテーションや議論などを活発に行える。

 「ラーニングサポートベース」には辞書や資料もあり、論文の書き方など修士生に気軽に相談ができる。教室の多くがガラス張りになっており、外から中が見えるのも新鮮だった。この和泉ラーニングスクエアの新しい設備では、学生が集まって主体的に活動できるような工夫や仕組みが随所に施されている。

 詳しい施設紹介は、動画でご覧いただきたい。

偶然の出会いとワクワクした学びが生まれる

 施設の紹介を担当いただいた3名の現役学生に、和泉LSがどのように活用されているのか、またメリットや明治大学での学生生活などを、明治大学OBである編集部スタッフがインタビューした。

インタビューに参加した学生:
G.K.さん 経営学部1年
H.M.さん 政治経済学部2年
S.H.さん 文学部4年

--和泉LSのご紹介ありがとうございました。明治大学にこのような素晴らしい校舎ができていることに驚きました。はじめて和泉LSに入った時の感想をお聞かせください。

G.K.さん:4月に地方から上京したばかりなのですが、まずキャンパスの大きさにびっくりしました。そして和泉LSに入った瞬間に開放感があって近未来的に感じました。こんな大学で学べるのかというワクワク感が大きかったです。

H.M.さん:初めは教室を見つけるだけでも大変でしたが、大きい教室から小さい教室までたくさんの教室があり、ここで学べるのが楽しみになりました。

S.H.さん:私は、和泉LSができたときにはすでに駿河台キャンパスに通っていた(編集部注:和泉キャンパスの学部生は、3・4年次に駿河台キャンパスへ通学する)のでこちらで授業を受けたことはありませんが、団体の活動などで利用しています。ホワイトボードやモニターが付いている教室もあるので、プレゼンテーションや話合いをするのにとても便利です。私は、今の和泉LSの場所に以前あった第二校舎で講義を受けたことがあります。とても歴史のある雰囲気の建物で、明治大学の校舎とはこういうものだと思っていましたが、和泉LSができた時には「これが大学なのか」という新鮮な驚きがありました。

--和泉LSではどのような授業が行われているのでしょうか。

G.K.さん:私が受けている授業では、大きい教室では300人ほどの学生が講義を受けています。小さい教室では語学などを中心に30人くらいで行うものが多いですね。1年生なので、まだカイダン教室を使う授業は取れていません。素敵だなと思っているので、来年はカイダン教室で行われる授業の履修を考えたいです。

H.M.さん:和泉LSで受けている語学の授業では、スクリーンをおろして洋画を英語のまま見ています。教室はガラス張りで、外からほかの学生が見ていることもありますし、私自身も履修していない授業を「面白そうだな」とガラス越しにのぞくこともあります。ほかには、大きい教室でクジラを研究するという講義を受けたこともあります。映像を見る機会が多かったのですが、新しい設備で見やすく、音響も良いので快適に受けることができました。

S.H.さん:私は所属している団体の活動で使っているのですが、人数も多くないので小さな教室に集まっています。和泉LSは机や椅子を簡単に動かせるので、円にするなど工夫して配置できて使いやすいと思います。一部の教室はWebサイトから予約ができるので、駿河台キャンパスにいても簡単に予約が取れます。

人気のテラス、充実した電源、見晴らしの良い空間でコミュニケーションも活発化

--和泉LSの「ここがすごい、ここで学べて良かった」という点を教えてください。

G.K.さん:私が1番好きな場所はテラス席です。カフェのように外を見ながら座って勉強できる場所で、外の景色を見ながら課題などに取り組んでいます。寒くなってきて(取材は12月)最近はあまり使わなくなりましたが、良い気候の時には利用しています。

H.M.さん:テラスは私も好きで、寒くなる前はずっと使っていました。また、和泉LSはPCやスマートフォンの充電に利用できるコンセントが、カウンター席やオープンスペースにたくさんあるのが便利です。ほかの大学の人が来た時に、「こんなにコンセントがある大学はなかなかない」と感動されました。長時間にわたって課題に取り組むときなどは充電を気にせず使えるのでとても良いです。

S.H.さん:和泉LSは、とにかく人と関われる場所がすごく多い点が良いところだと思います。和泉LS以外の建物や駿河台キャンパスでは、みんなで集まって何かをできるスペースが限られているので、そのようなスペースがたくさんあるのは魅力的で、大学に通いたいという気持ちが自然と生まれます。

G.K.さん:グループボックスや少人数の教室では、友達と話すことやディスカッションをする機会も多く、コミュニケーションが深まります。

H.M.さん:授業で使っていない教室には自由に入って利用できますので、みんなで課題に取り組む際に利用しています。いろいろな使い方ができるので、ほかの校舎と比べると教室の自由度が高いと感じています。私はここに授業以外で来ることも多く、先日はゼミ試験のグループ面接を和泉LSで受けました。新入生歓迎会や学園祭もここで行われるので、学び以外の活用法がとても多いのも特長だと思います。集まっていろいろなことができるスペースが多いので、来年からは駿河台キャンパスに通うことになりますが、集まって何かをするときには30分かけてでも和泉LSに来たいと思っています。また開放的でガラス張りなので、すぐに友人を見つけられるのもメリットですね。

S.H.さん:私が大学1・2年生のころは和泉キャンパスの第一校舎で講義があり、そこは教室の中が見えない場所でした。ここはガラス張りなので、履修していない授業でもどんなことをやっているかがわかるので、今後の履修を検討する際の参考にもなると思います。また、人とのコミュニケーションが取りやすい場所なので、ここで講義が受けられたら良かったなと改めて思いました。

現役・OB問わず多様な人と出会うことで価値観の幅も広がる

--明治大学に入って良かったと思うことを教えてください。

S.H.さん:卒業生が多いので就職活動の時に先輩に話を聞きに行きやすく、大学にもいろいろな情報があって役立ちました。また、「社会人になるとさらに交流が増える」「明治出身というだけで打ち解けられる」という話をいろいろな人からお聞きして、入学したときよりも今のほうが「明治で良かった」と思っています。

H.M.さん:明治は学生が本当に多いので、いろいろな人たちと知り合えました。高校生までなら絶対に友達になっていないだろうという人とも、仲良くなることができました。私は地域行政学科というアットホームな学科に所属しているのですが、1年時はクラス単位で動くことが多く、クラスのつながりが強くなりました。またサークルに入れば、より多くの出会いがあります。本当に良い友達が見つかって、いろいろな価値観を得られたのは良かったです。

G.K.さん:私は今、サッカーサークルとオープンキャンパスの団体に所属しています。活動内容がまったく違うのでもちろん雰囲気も違いますが、どちらも自分に合う仲間を見つけることができました。

--皆さんが、オープンキャンパスを実施する団体に入った理由は何ですか。

G.K.さん:僕が高校3年生の時はコロナ禍で大学を直接見に行ける機会が少なかったのですが、「東京に行ってみたい」「明治に入りたい」という気持ちがあって、明治大学の見学に来ました。そこで参加したオープンキャンパスツアーで先輩方がキャンパスを紹介してくださり、入学して一緒に活動したいと思うようになりました。入学後に新歓に参加して団体に入り、今は思い描いた学生生活を送れています。今度は私のオープンキャンパスツアーを見て入学したと言ってくれる後輩ができたら良いなと思っています。

H.M.さん:そうなんです。「〇〇さんのオープンキャンパスツアーに参加して、入りました!」と言ってくれる新入生がいてびっくりしました。コロナが明けて対面での開催が復活し、後輩たちがオープンキャンパスに来て、新歓に来て、そのまま一緒に活動ができる。本当に素敵なことだと思います。私も高校2・3年生のときがコロナ禍で、オープンキャンパスに行く選択肢がありませんでしたが、高校でオンラインによる見学をした時に、明治は雰囲気が良さそうだと感じて進学して、この団体に入りました。

S.H.さん:私は入学当初に、「1つの目標に対して頑張っていくような団体はありますか」と先輩に相談したところ、私の性格なども考えてくださり「この団体が良いんじゃないか」と紹介していただいたことがきっかけです。また大きなホールで、檀上に立って40分間トークをしている先輩を見て、私もやってみたくなり入ることを決めました。

社会をリードする優秀な人材を数多く輩出

--尊敬する明治大学の卒業生を教えてください。

S.H.さん:アイドルグループ「NEWS」の小山慶一郎さんです。私と同じアジア史専攻の出身で、アイドルと模範学生を両立したのはすごいと思いました。アジア史はたくさんの資料を読んで1人で頑張る課題が多いので、お仕事をしながら勉強も頑張っていらっしゃったのは本当に尊敬します。

H.M.さん:私は、TBSのアナウンサーの安住紳一郎さん。明治出身のアナウンサーで朝の顔、TBSの顔である安住アナは自分がやりたいことを突き詰めている感じがします。番組で芸能人とうまくやり取りしながらも自分の色を出していて、それを押し付けるでもなく、みんなの良さを引き出すことができる。そんな大人になりたいと思います。

G.K.さん:長友佑都選手です。私は高校3年生までサッカーをやっていました。長友選手は明治大学に入学して、活躍するまでにものすごい努力をしたと聞きました。その後、ワールドカップやプロの世界で活躍している姿を見て、この人みたいになれたらと思いました。プロ選手になる夢は諦めましたが、これからは自分のやりたいことを見つけて頑張りたいと思います。

--みなさんがお話してくださる姿がキラキラと輝いていて、本当に学生生活が充実しているのだなと感じました。これからも、学生生活を楽しみながら夢に向かって頑張ってください。ありがとうございました。

 和泉LSは学生たちが集まるための便利な工夫や配慮が多く、居心地もとても良い空間だった。偶然の出会いと交流からさまざまな刺激を受けて、新しい価値観を生む教育環境は、すでに明治大学の新たな魅力の1つといえるだろう。高校生や保護者もさまざまな機会を捉えて和泉LSを訪れて、その魅力を体感してほしい。

明治大学Webサイト

現役明治大学生による和泉キャンパスツアー

《佐久間武》

佐久間武

早稲田大学教育学部卒。金融・公共マーケティングやEdTech、電子書籍のプロデュースなどを経て、2016年より「ReseMom」で教育ライターとして取材、執筆。中学から大学までの学習相談をはじめ社会人向け教育研修等の教育関連企画のコンサルやコーディネーターとしても活動中。

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