自転車ヘルメット着用率3割近くまで向上…東京都調査

 自転車ヘルメットの着用率(着用している、時々着用しているの合計)は27.0%と、前年度調査時に比べ大きく向上していることが、東京都が実施した2023年度(令和5年度)「自転車等の安全利用に関する調査」結果から明らかになった。特に女性や若年層での着用率が向上している傾向にある。

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  • ヘルメットを着用しない理由(複数回答)
  • 自転車安全利用に向けた都の取組み

 自転車ヘルメットの着用率(着用している、時々着用しているの合計)は27.0%と、前年度調査時に比べ大きく向上していることが、東京都が実施した2023年度(令和5年度)「自転車等の安全利用に関する調査」結果から明らかになった。特に女性や若年層での着用率が向上している傾向にある。

 東京都生活文化スポーツ局は、都内における自転車の安全利用を一層推進するため、2024年2月22日から28日の期間、都内在住の18歳以上の自転車利用者1,000名にWebアンケート調査を実施。取りまとめた結果を公表した。

 2023年4月1日よりすべての自転車利用者に着用の努力義務が課された乗車用ヘルメットの着用率は、「着用している」14.5%、「時々着用している」12.5%となり、あわせて27.0%が着用していると回答。前年度(2022年度)調査時の着用率11.7%から15.3ポイント増加した。「常に着用している」との回答は8.3ポイント増。

 年代別では若年層(10~30代)の着用率が高く、10代で30.0%、20代で37.6%、30代で34.7%(いずれも常に+時々着用の合計)。性別では男性30.0%、女性24.2%と男性の着用率が高いものの、女性は前年度の3倍増となっている。

 ヘルメットを着用しない理由としては、「着用が面倒だから」49.5%がもっとも多く、ついで「『努力義務』であり『義務』でないから」48.9%、「駐車場や移動先にヘルメット保管場所がないから」26.8%と続く。また、「ヘルメットを購入する金銭的負担が大きいから」22.3%、「着用しないことによる危険性を感じないから」19.6%との意見も一定数みられた。

 歩道を歩いているときに自転車に接触・衝突されたあるいはされそうになった経験は、直近3年間で3回以上経験した人が19.3%、2回が7.2%、1回が13.7%。あわせて約4割が1回以上自転車との接触・衝突の危険性を経験していることがわかった。

 自転車利用中の対人賠償事故に備える保険(自転車損害賠償保険)等への加入については、6割以上が加入。自分で加入が44.1%、世帯主の加入保険でカバーが19.1%、計63.2%が加入し、万が一の事故に備えていた。しかしながら、東京都条例では保険加入は義務となっており、自転車事故での高額賠償事例も実際に発生していることから、リーフレットなどで加入義務の周知に取り組んでいる。

 そのほか、自転車乗車用ヘルメットの着用促進や、区市町村向け自転車乗車用ヘルメット購入補助事業の実施など、東京都は自転車安全利用の促進を図るため2024年度もさまざまな取組みを展開していくとしている。調査結果は、東京都生活文化スポーツ局のWebサイトから見ることができる。

《畑山望》

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