英語が聞き取れないことに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。読んだり書いたりなら、ある程度はこなせるようになってきたという人も、いざ英語を聞いてみると、スムーズに理解できずに落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
英語が聞き取れなくて諦めてしまいそうになることもあるかもしれませんね。しかし、リスニングの練習をやってもやっても英語が聞き取れない人は、英語が聞き取れるようになるための学習ができていない可能性があります。
そこでこの記事では、英語が聞き取れないと悩む人向けに、英語が聞き取れない理由や学習のポイントをご紹介します。これを参考にすれば、英語が聞き取れるようになる学習をスタートできるはずですよ。
英語が聞き取れない主な5つの理由
英語が聞き取れるようになるためには、まずなぜ聞き取れないのかその原因を探ることからはじめてみましょう。原因がわかれば、その原因を解消するピンポイントな学習ができるからです。
しかし、英語が聞き取れない原因は、人によってさまざまでしょう。そこでここでは、英語が聞き取れない主な理由を5つご紹介します。
英語の音に慣れていない
英語の音は日本語の音とはかなり違います。日本語の音は、割と開いているのに対し、英語はちょっと閉じているような、くぐもった感じがしないでしょうか。
日本語は母音が主体、柱となって、そこに子音をくっつけることで音を変化させる構造になっていますが、英語は子音単体で発音する音の数が多く、それも日本人にとって英語の音が難しい原因となっています。
また、リエゾンと言って、前後の単語をくっつけて発音をするため、このリエゾンの規則に慣れていなければ、全く別の単語に聞こえるかもしれません。
そんな日本語とはかけ離れた音の構造をしている英語を聞き取るには、英語の音に慣れる必要があります。いくら読み上げられている単語をすべて知っていたとしても、その音に慣れていなければ、聞き取ることが難しくなるでしょう。
語彙力などの英語知識が足りていない
語彙力や文法知識がなければ、英語の音がしっかり聞き取れたとしても、その意味を理解することは難しいです。ですから、英語が聞き取れないと嘆いている人は、もしかするとそもそも知識が足りていないのかもしれません。
英語を聞き取るには、読み上げられている英語を理解できるだけの知識が必要です。聞き取れないと思った英語音源のスクリプトを見て、読んでみてもあまり理解できないようなら、英語の知識が足りていないと判断できます。
スピードについていけていない
英語の知識もあって、音にも大体慣れているにもかかわらず、英語が聞き取れない人もいるでしょう。そんな人は、英語のスピードについていけていない可能性があります。
または、自分のレベルに合っていないスピードの音源を選んでいるかもしれません。ネイティブが話すような自然なスピードを理解するには、音を聞き取る能力に加え、瞬時に英語を理解するという高い英語力が必要です。
スピードについていけていない場合は、自分のレベルに合った英語を聞き取るか、英語を理解するスピードを高めることが必要です。
聞き流しに慣れすぎている
聞き流しを英語学習に取り入れている人もいるでしょう。確かに聞き流しはまったく効果がないというわけではありませんが、聞き流しに慣れすぎると、英語をBGMのように聞き流してしまうクセがついてしまいます。
その結果、英語を聞いていても、理解しようとすること自体が難しくなるのです。
聞き流しは、英語特有のリズムやアクセントを身につけたりするためには、効果がありますが、本当にただ聞き流しているだけでは、リスニング力アップにはつながりづらいのです。
トピックに関する理解が足りていない
そもそも聞いている英語音源のトピックについて、背景などを知っていなければ、その音源は聞き取れないでしょう。この場合、聞き取れていないというよりは、トピックに関する知識が不足していて、言っている言葉の意味はわかっても、どういうことなのか理解できないのです。
日本語で考えてみるときっとわかりやすいでしょう。
日本語でも、自分に馴染みのない話題については、言っている言葉や文章を1つ1つ理解できたとしても、全体像はよくわからない……なんてことがありますよね。
全く科学の知識がない人が、科学の話をされてもよく理解ができないことを想像してみましょう。
トピックに関する理解が足りていなくて、話があまりよく理解できない人は、英語自体は聞き取れていますから、それほど心配する必要はありません。
英語が聞き取れないときの学習ポイント
「英語が聞き取れない主な5つの理由」を参考に、自分が英語が聞き取れない理由を特定できたら、次はリスニング学習の方法を見直してみましょう。
ここからは、上記でご紹介した聞き取れない理由をベースにしつつ、英語が聞き取れない人向けの学習のポイントを解説します。ぜひリスニング学習の改善に役立ててみてくださいね。
語彙力や文法力をしっかり身につける
語彙力や文法力といった英語の知識が足りていなくて英語が聞き取れない人は、まずは語彙力や文法力をしっかりと身につけましょう。
知識がなければ、英語を聞いていても、それはただの音。音楽を聞いているのとほとんど変わりありません。語彙力や文法力をつけてこそ、英語が聞き取れるようになるのです。
ただ聞いているだけでも語彙力や文法力を養うことができる人もいるかもしれませんが、多くの場合、それは効率がよくありません。ですから、まずはじっくり語彙力や文法力を養う学習を行いましょう。
聞き流しをせず静聴するトレーニングを
聞き流しをしていると、英語を単なる音と捉えて音楽のように聞き流すクセがついてしまいます。ですから、単にだらだらと英語を流していれば、英語が聞き取れるようになるというものではないのです。
リスニング学習に聞き流しを取り入れている人は、聞き流すのではなく、じっくり聞いて理解をしようとするトレーニングを行いましょう。
他の作業をしながら、英語を聞くことは問題ありません。しかし、「理解する」という点にフォーカスするなら、掃除や料理、もしくは散歩などといった、あまり頭をはたらかせない作業中に聞くのがおすすめです。
ゆっくりしたスピードから始めてみる
英語のスピードについていけずに英語が聞き取れないなら、ゆっくりしたスピードから始めてみましょう。
そもそもまだ英語のレベルが入門初級の人だと、そのレベルに合わせた英語音源をリスニング学習に取り入れれば、ゆっくりスピードで読み上げられています。
英語の知識量があるにもかかわらず、スピードについていけない人の場合は、英語のスピードに慣れるために、ゆっくりしたスピードからはじめて、徐々にスピードをアップしていくといいでしょう。
最近は低速再生機能があるツールがあるので、そういうものを上手に使ってくださいね。
字幕やスクリプトを活用する
英語が聞き取れない場合、聞き取れなかった言葉をそのままにしておくと、あまり学習効果が期待できません。
ですから、聞き取れない言葉やフレーズを復習できるように、字幕やスクリプトを活用しましょう。
聞き取れなかった部分を字幕やスクリプト付きで聞いてみれば、その言葉・フレーズがどのように発音されているのかをチェックすることができます。
知らない言葉・フレーズだったなら、語彙力アップにもつながりますね。その場合は、意味を調べることもお忘れなく。
興味があったり自分に必要なトピックの知識を深める
たとえ英語の知識量が足りていて、英語の音もしっかり聞き取れていたとしても、トピックに関する知識がなければ、英語を聞き取ることは難しいです。
とは言え、別に興味がないトピックや、難しいトピックの知識を深める必要はありません。自分が興味があるものや、仕事や英語の学習目的にとって必要なトピックの知識さえあれば問題ないでしょう。
それに加えて、政治経済や世界情勢に関するちょっとした知識があれば、時事問題を理解しやすくなります。日本語で理解している程度の範囲で構いませんので、そういったニュースに出てきそうなトピックの知識も少しつけておくことをおすすめします。
リスニング練習を習慣にする
リスニング練習は習慣にしなければ、英語を聞き取る能力を向上することが難しくなってしまいます。これは、習慣にしなければ、英語の音に慣れることができないからです。
英語と日本語の音はかなり違うため、時々しか英語を聞いていない状態だと、耳が日本語を聞き取るモードのままになってしまいます。しかし、毎日のように英語を聞けば、耳がしっかりと英語を聞き取れる能力をつけてくれるのです。
自分のレベルに合ったリスニング教材を使う
自分のレベルに合ったリスニング教材・音源を使うこともポイントのひとつです。自分にとって簡単すぎるものだとレベルアップしづらくなってしまいますし、逆に難しすぎても全く理解できず、学習効果が期待できません。
ですから、英語が聞き取れるようになりたいのなら、焦らず自分の今のレベルに合ったものを選ぶようにしましょう。それが簡単だと感じるようになれば、次のレベルの教材を使うと良いでしょう。
「聞き取れない」と思いすぎない
これは精神論になってしまいますが、「英語が聞き取れない」と思い込みすぎていると、本当に英語が聞き取れないままでいてしまいます。人間は「できない」と思っていることは、本当にできないように自分を無意識でセーブしてしまうものなのです。
ですから、聞き取れないと思いすぎるのではなく、聞き取れた部分に注目してみましょう。1ヶ月前の自分よりも聞き取れているなら完璧なのです。
「聞き取れるようになった」「レベルアップしている」と思ってリスニング学習に臨めば、「聞き取れない」と思っているときよりも、ずっと楽しく学習ができますし、本当に効果も感じるはずです。
英語が聞き取れるようになる具体的な学習方法とは？
学習のポイントがわかっても、具体的にどのようにすれば良いのかわからない人もいるでしょう。そこで、ここからは、具体的な学習方法もご紹介します。
自分の弱点などにも合わせて、適した学習方法を取り入れてくださいね。
スマホアプリを活用して語彙力アップ
英語が聞き取れるようになるためには、語彙力が必須というのは前述のとおり。ですが、どうやって語彙力をアップできるのか疑問に思う人もいるでしょう。そこでおすすめなのが、スマホアプリを使ったトレーニングです。
スマホアプリはスマホを持っている人なら誰でも手軽に学習に取り入れることができる便利なツールです。英語学習者向けのアプリがたくさん出ていますが、その中でもおすすめなのは、語彙力アップができるアプリです。
語彙力をつけるためには反復練習が必要ですが、それをするために時間を割くのは難しいと感じる人もいるでしょう。ですが、スマホアプリを活用すれば、ちょっとした隙間時間を使って語彙力アップに励むことができます。
語彙力のトレーニングができるスマホアプリを探すには、英語学習用アプリで人気があるものを試してみると良いでしょう。
自分に合うかどうかは使ってみなければわからないため、いくつか気になるものを使ってみて、継続して使うものを選ぶことをおすすめします。
文法に関する教材も学習に取り入れよう
文法力は、語彙力の学習やリスニング練習をしていたら、自然と身に付く人もいるかもしれません。しかし、やはり日本語の解説を使って、深く理解しておいた方が、より正しい知識をつけることができます。
ですから、文法に関する教材も1つは持っておきましょう。
文法の学習は、語彙力や聞き取りと違って、毎日やる必要はないかもしれません。これは、そもそも語彙力や聞き取りの学習をしていれば、英文法にも自然と触れるようになるからです。
ですから、週に2回くらいの頻度で、新しい文法項目を学習したり、理解できない部分を復習したり、問題を解いてみたりしましょう。
また文法の解説教材は、文法に関する辞書のような役割も果たします。語彙やリスニングの学習をしているときに、「これはどう使うんだろう？」などと疑問に思ったときには、文法の教材が役に立つこともあるはずですよ。
リスニング問題を1日1つ解く
聞き取りは習慣化することが必要ですが、具体的にどういう学習を取り入れるべきかわからない人もいるでしょう。
すでに上級レベルに達している人だと、ポッドキャストや英語ニュース、海外ドラマ・洋画などを使って聞き取り練習ができますが、そのレベルの人は、そもそも「英語が聞き取れない」と悩むことは少ないはずです。
英語が聞き取れないと悩む人の多くが、入門〜中級レベルの人でしょう。そのレベルの人だと、自然な英語をリスニングがくしゅに取り入れるよりは、レベルにあったリスニング教材を使った方が効果が出やすいです。
ですから、自分のレベルに合った教材を用意し、毎日リスニング問題を1つ解くと決めてやってみましょう。多くのリスニング教材では、10〜30分くらいで1つの問題、もしくは1セクションを解くことができます。そのくらいなら、日々の学習に取り入れやすいのではないでしょうか。
スマホにリスニング教材を入れて外出中も聞く
問題を解く以外では、音源をスマホやミュージックプレイヤーに入れて持ち歩き、時間が空いたときに聞くのもおすすめです。
歩いている時や、昼休み中、何かの単純作業をしているときなど、リスニング音源に耳を傾け、意味を理解することを意識しつつ聞いてみましょう。
もちろん外出中だけではなく、家の中で単純作業をしているときにも、できるだけリスニング音源を聞くことをおすすめします。
このとき使うのは、リスニング教材だけではなく、たとえば長文読解問題の音源などでもOKです。今の自分のレベルに合った音源なら、特に種類は問いません。しかし、確実に聞き取れているかどうかをチェックするために、スクリプトと日本語訳がついているものを使うようにしましょう。
英語が聞き取れない人は早めの対処が肝心！
英語が聞き取れないことを放置していると、英語の知識レベルが上級に達したときにも、聞き取りはできない……なんてことも起こりかねません。実際、読み書きだけなら高レベルの人が、聞き取りは得意ではないということは、日本人の間ではよくあることです。これは文中のとおり、日本語の音と英語の音がまるで違うからですね。
ですから、英語が聞き取れないと感じたら、早めの対処が肝心。まだ英語のレベルがあまり高くない頃から聞き取りの練習をしておけば、上級レベルに達したときにスムーズに聞き取りもできるようになります。
聞き取りに苦手意識がある人は、早速今日から対策を始めてみてはいかがでしょうか。