英語を読むことはできたり、話すことは問題なかったりする人でも、ライティングが苦手だという人は意外といるでしょう。日本語でも長文を書くということは決して簡単なことではありませんが、英語となればなおさらです。
そこでこの記事では、英語のライティングが苦手な人向けに、効果的な学習方法やライティングのコツをご紹介します。ライティングでお困りなら、ぜひ参考にしてくださいね。
英語のライティングが苦手になる5つの理由
何かが苦手になるときには、必ず苦手な理由があるはずです。そしてその理由がわかれば、効果的な学習をするのに役立つでしょう。
そこでまずは、英語のライティングが苦手になる理由を5つピックアップして解説していきます。こちらを参考に、自分がなぜライティングが苦手なのかを見極めれば、どういう学習をすべきなのかの判断材料になるはずです。
語彙力・文法力が足りていない
ライティングをするということは、英語でさまざまなことを表現するということです。その際に、もし表現したいことに必要な語彙力や文法力が足りていなければ、ライティングをするのは難しいでしょう。
ですから、ライティングが苦手だと感じている人は、今の英語の知識量に見合わないレベルのライティングに挑戦しようとしているのかもしれません。ライティングでは、なんとなく意味を覚えている程度の語彙はなかなか使えず、現在自分が使いこなせる範囲での表現が必要です。
自分で使いこなせるほどの語彙力や文法力がついていない頃からライティングに取り組むと、どう書いて良いかわからず、ストレスになってしまい、ライティングへの苦手意識が芽生えてしまうでしょう。
アウトプットの練習不足
英語の知識量はしっかりあって、読むことは問題なくこなせるのであれば、アウトプットの練習不足がライティングの難易度を上げているのかもしれません。
いくら知識量を培っても、それを自分で使う練習をしなければ、なかなか自由に使いこなせるようにはならないのです。ここでいうアウトプットは、英語を書くだけではなく話すことも含みます。
多くのライティング問題では、意見を述べることが求められます。自分の思いや考えを英語でアウトプットする練習が足りていなければ、ライティングが苦手になってもおかしくはありません。
トピックについての知識がない
英語のライティング問題では、日常的なことから社会問題・時事問題までさまざまなトピックがピックアップされます。多くのライティング問題では、専門知識が必要なレベルのトピックは出てきませんが、それでもトピック事態についてほとんど知識がなければ、ライティングが難しくなってしまいます。
ライティング問題のレベルが上がるにつれ、取り上げられるトピックも複雑なものになりがちです。自分の英語力がレベルアップするにつれ、トピック自体への知識が足りず、ライティングが苦手になってしまうでしょう。
自分の意見を表現することに慣れていない
私たちの母国語である日本語では、あまりさまざまな物事についての自分の意見を表現する機会がありません。そのため、英語力以前に、自分の意見を表現することに慣れておらず、ライティング問題で何を書いて良いかわからないという人もいるでしょう。
そうすると、まだ英語が初級レベルの間はそれほど問題にならなくても、長文のライティングが必要になるレベルになると、ライティング問題が解けないということになりがちです。
そもそも日本語でも作文が苦手
日本語でも作文が苦手な人は、英語でのライティングも苦手になりがちな傾向にあります。これは、日本語でもおしゃべりが得意ではない人は、英語でもスピーキングが苦手になりがちなのと同じことですね。
人には得手不得手がありますし、他のスキルに比べてライティングが苦手でも問題はありません。そもそも文章を書くこと自体が苦手な人は、ライティング問題を解くテンプレートを覚えてしまえば、乗り切れるでしょう。
英語習得にライティングは必要?
英語を習得したいと考えている人の中には「本当にライティングが必要なのか」と疑問に思っている人もいるでしょう。特に会話に重点を置きたい人は、ライティングの必要性を感じづらいかもしれません。
確かに、英語を習得したい人のすべてに、ライティング力が必要なわけではないでしょう。本当に必要なければ、ライティングの学習はしなくてもいいかもしれません。
そこでここからは、どんな人にライティングが必要かの参考に、ライティングが必要なシチュエーションをご紹介します。こちらを見てもライティングは必要ないと思うなら、ライティングのための特別な特訓はせずに、その分他のスキルを伸ばして行くことをおすすめします。
英検などの検定ではライティング問題がある
英検やTOEFL、IELTSといった英語の検定を受ける人には、ライティングスキルが必ず必要です。これらの検定で合格したり、必要スコアを取得するためには、ライティング問題をクリアしなければならないのです。
ちなみに日本人に人気のTOEICでも、Speaking&Writingの方のTOEICではライティング問題が含まれています。
こうした検定を将来受ける可能性があるなら、英語が初級レベルの頃からライティングの練習をしておくべきです。検定のライティング問題はなかなか難しいですから、早めにライティングに慣れておくと、後が楽になるはずですよ。
英語を仕事に生かしたいなら必須スキル
英語を使って本格的に仕事をしたい人には、ライティングスキルは必須です。たとえば営業や事務のお仕事では、業務中にビジネスメールや手紙を書くこともあるでしょう。
サービス業ならライティングはいらないと思うかもしれませんが、ウェイトスタッフなどのバイトのようなお仕事では不要でも、正社員として働く場合はどこかにメールをしたりする機会があるはずです。
ライティングに慣れていなければ、仕事で必要なメールや手紙を書くことも難しくなってしまうでしょうし、失礼にあたる表現を使ったり、意味の伝わらない文章を書いたりして、トラブルになってしまう可能性もあります。
ですから、英語を仕事で使いたいなら、ライティング力はつけておくべきなのです。
文章構成力があればカジュアルシーンでも役立つ
英語はカジュアルな場面では使わないという人も、ある程度はライティングの練習をしておいた方が良いかもしれません。なぜなら、ライティングの学習で文章構成力をつけておけば、友達にテキストメッセージで何か連絡するときに役立つからです。
また、相手にわかってもらえるように意見を表現することもできるようになるでしょう。
英語のライティング力を向上させるための学習方法
ここからは、実際にライティング力を向上できる学習方法を解説していきます。
ライティング力を向上させるためには、自分がライティングを苦手とする理由を克服できるような学習を行う必要があります。
自分がなぜライティングが苦手なのかを考えながら、どんな学習を行うのかを考えてみてくださいね。
語彙力や文法力を養う
語彙力や文法力が足りていない人は、その部分を補えるように語彙力・文法力を伸ばす学習を行いましょう。
語彙力を養うための教材やスマホアプリを使ったり、文法書を入手したりして、どんどん知識を増やしていってください。
またこの後にご紹介する「たくさん英語を読む」も、語彙力や文法力の向上に役立ちます。語彙力・文法力を伸ばすためのツールと併用して、取り組んでみてくださいね。
たくさん英語を読む
英語のライティング力を伸ばしたいなら、英語の文章をたくさん読みましょう。そうすれば、英語の語順や感覚などに慣れることができます。また前述のとおり、語彙力や文法力を養うことにもつながります。
特に読むジャンルには限りはないので、自分が興味のあるものを読むと良いでしょう。あまり読むことが得意ではないなら、絵本などの簡単なものから始めても構いません。
また、英語のメール例文なども参考になるでしょう。メール例文は短いので、読みやすいかもしれませんね。
おすすめできないのは、歌詞やポエムです。歌詞やポエムは、リズムを大事にするために特別な表現が使われていることが多いので、ライティング力を養うための多読には向いていません。
日頃から時事問題への注意を向ける
ライティング問題で聞かれていることが難しいと感じるなら、社会的な問題への知識が足りていないのかもしれません。
そういう人は、日頃から時事問題の基礎的な知識をつけておきましょう。英語でニュースを読むのが特におすすめですが、ニュース記事はちょっと難易度が高いので、日本語でニュースを見たり読んだりするのでも良いでしょう。
時事問題の基礎的な知識をつけるだけなら、じっくりとニュースをチェックする必要はありません。なんとなく、そういう問題が起こっているんだな……とわかる程度で大丈夫です。
例を出すなら、温暖化問題について、なぜ温暖化が起こっているのか科学的な知識は不要ですが、温暖化が問題になっていることは知っておかなければならないといった感じです。
物事に関して自分の意見を考えてみる
英語のライティングでは、しばしば自分の意見を述べることが求められます。それが苦手に感じる人は、英語で意見を構成するスキルが足りていないのかもしれませんが、それ以前に何かについて意見を述べることが苦手なのかもしれません。
ですから、自分の意見を話せるように、日頃から色々なことについて自分がどう感じているのか、どう思うのかを考えてみましょう。まずは日本語で良いので、自分の意見を考えて、可能なら書き出してみてください。
食事や色の好みから、今日起こった事件に関する見解、他人に対する意見など、自分の意見を明確化することに慣れていれば、意見を述べること自体に慣れ、ライティング問題を解くのが楽になるはずです。
習慣的にライティングに取り組む
習慣的にライティングに取り組むことは、ライティングスキルを向上するうえでとても重要です。ライティングはリスニングなどとは違い、毎日取り組まなくてもスキルを向上できるでしょう。それでも、週に1〜2回くらいん頻度では、しっかり英文を書くライティングのトレーニングをしたいところです。
何度もライティングをしていれば、必ずライティングに慣れていきます。ライティングの教材などを効率よく取り入れつつ、ライティングのコツやポイントも意識しながら、ライティングをしてみてくださいね。
また、英語を書くことを習慣にするために、英語日記に取り組むのもおすすめです。英語日記で日々のことを英文にしていれば、英語を書くことに慣れ、ライティング問題を解くこともストレスにならなくなるかもしれません。
自分の目的に合ったライティング学習をする
自分の目的に合ったライティング学習をすることも非常に重要です。検定のためにライティングが必要なら、自分の受験する検定に向けたライティング教材を準備しましょう。ビジネスで英語を使いたい人は、ビジネスメールなどの教材がおすすめです。
自分の目的に合ったライティング学習をすれば、寄り道をすることなく、目標を達成できるライティングスキルが身に付くはずです。
ライティングの解答例・例文をしっかり読む
英語のライティング力を向上するためには、英語の文章をたくさん読むことが効果的ですが、それ以外にも、ライティングの解答例をしっかり読むことも忘れないようにしましょう。
特に検定を受験する予定がある人は、解答例を読み込むことで、どんな流れで文章を書けば良いのか、どんな解答が求められているのかを把握することができます。
ライティング対策の教材を持っていれば、解説もついてきますから、解説もしっかり読みこむようにしましょう。また後述しますが、解答例や例文をしっかり読んで、必要なことは丸暗記すれば、そもそも文章を書くことが苦手な人でも、英語でライティングができるようになりますよ、
添削してくれる人を確保する
ライティング力の向上にとても重要なのが、正しい文章が書けているのか、読みやすい文章構成ができているのかを判断することです。
しかし、ライティング教材にひとりで取り組んでいると、自分の文章が正しいのかどうか判断することは難しいでしょう。闇雲にライティングをしていても、ライティング力は向上しないかもしれません。
ですから、ライティング力を確実に向上させたいなら、添削してくれる人を確保しましょう。ライティングの添削は、プロにおまかせするのが望ましいです。しかも、できることなら、オンライン英会話の講師などではなく、英文ライティングの講師や添削のプロにお願いしましょう。
オンライン上のサービスの中には、ライティングの添削サービスや、英文ライティングのクラスに特化したサービスなどもあります。特に英検だと、英検対策用のサービスもあったりするので、合格に必要とされるライティング力を効率よく学べるでしょう。
プロにお任せすることで、自分の癖や苦手なポイントを見抜け、どんな学習をしていけば良いかもわかるようになります。
特に検定受験の予定がない人なら、ネイティブの友達や言語交換の中で添削してもらっても良いかもしれませんが、検定受験をする人は、プロに添削してもらう機会を作るようにしてください。
英語のライティングにおけるコツ
英語でライティングをするときには、ちょっとしたコツもあります。このコツさえ掴んでおけば、そもそも作文自体があまり得意ではない人も、ライティングができるようになるでしょう。
ここからご紹介するコツを覚えておけば、ライティングが苦手な人でもスムーズに文章を書くことができるようになるはずです。
書き始める前に文章の流れを決める
ライティングを始める前に、まず全体的な文章の流れを決めましょう。日本語でメモを書いても良いので、簡単に全体の構成をメモ書きすれば、途中で何を書けば良いか悩んだりはしなくなります。
逆に、何も構成を考えずに書き始めてしまうと、途中で辻褄が合わなくなったり、文章をつなげなくなったりするので、気をつけてくださいね。
この時のメモ書きは箇条書きで十分です。重要なポイントを流れに沿ってメモ書きをして、それを骨組みに文章を作っていきましょう。
結論→理由の流れをテンプレ化する
特にライティングの問題では、あなたの意見を聞かれる問題が多いです。そういう問題の場合は、まず結論を述べてから、その後理由を多角的かつ具体的に述べるという流れをテンプレ化しましょう。
書き出しまでテンプレ化してしまえば、文章を書く際に、どのように文章を構成していけば良いか悩まずにすみます。
このタイプのライティング問題では、「結論→理由1→理由2→まとめ」のように、複数の理由が必要なことが多いです。理由の部分が同じ内容にならないように、そして主張の辻褄が合わない事態にはならないように、気をつけつつライティングをしてくださいね。
自分が確実に使いこなせる表現を使う
ライティングの問題では、複雑な表現を使った方が点数が取れると思ってしまいそうですが、それは正確に使いこなせていることが大前提です。
普段の練習の中で複雑な表現に挑戦してみるのは良いことですが、テスト本番では背伸びは禁物。自分が確実に使いこなせる範囲で、ライティングを構成するようにしてください。
言葉の使い方が間違っていると減点されてしまいますが、確実に使いこなせる表現で、正確にわかりやすく自分の考えを文章にできれば、加点対象になる可能性もあります。
また、どう言えば良いかわからない、思い出せない語彙などは、別の知っている語彙を駆使して表現するように、頭を柔らかくできるとベストです。
ライティング例文でよく見る表現は丸暗記して使う
作文が苦手な人に特におすすめしたいのが、例文の丸暗記です。ライティングの教材に収録されている例文を見ていれば、同じような表現がよく使われていることに気づくはずです。
そんなよく使われる表現は、日本語訳とともに丸暗記してしまいましょう。そして、それが使えそうな場面で積極的に使ってください。
そういった使える表現は、教材の中でも解説されていることが多いです。解説がついている場合は、そちらもしっかり読んで記憶に定着させれば、ライティングをする際にスムーズに使えるようになるはずです。
英語のライティングは慣れてしまえば怖くない!
「ライティング」と聞くと、難しいというイメージを抱いてしまいそうですが、実はライティングは慣れれば難しいものではありません。特に元々日本語での作文が好きな人なら、すんなりとこなしてしまえるでしょう。
なぜならライティングという分野は、自分の使える範囲の語彙・表現で書くため、覚えることが少ないからです。
作文が得意ではない人でも、ライティングに必要な言い回しや流れを覚えることで、それをテンプレートにして文章を構成することができるようになります。
プロにライティングを添削してもらいつつ、ライティングに役立つ表現などを覚えながら、たくさんライティングに取り組んでみましょう。そのうち慣れて、簡単にライティングがこなせるようになるはずですよ。