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受験のエキスパート西村則康氏に聞く(3)スランプからの脱出法

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西村則康氏
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 30年の長きにわたって、中学・高校受験一筋に、生徒の指導や教師の指導を行ってきた「塾ソムリエ」として活躍する西村則康氏に、中学受験の進学塾選び、家庭学習法、志望校選び、夏休みの過ごし方について聞いた。ここでは、スランプからの脱出法について紹介する。

--スランプに陥った場合、どうやって切り替えればよいでしょうか?

 すごくがんばって勉強をしているのに成績が伸びない、それで元気をなくしてますます成績が下がる、こういうときは辛いものです。原因は、勉強のやり方にあります。

 端的に言えば、勉強量が多すぎるのです。

 親御さんは、成績が下がるともっと勉強させなければと思うかもしれませんが、むしろ逆で、勉強量を減らせばスランプから抜けられると言っても過言ではありません。まずは、宿題の取捨選択をし、やらなくてよい問題は捨てること。今わからなくてもよい問題や、志望校の試験には絶対出ないような難しい問題は省くことです。

--なぜ勉強量が多いといけないのですか?

 まず、睡眠時間を削らなければならなくなります。すると昼間に集中力がなくなってしまう。また、毎日毎日大量の宿題をこなさなければならないと思うと、問題を理解することよりもこなすことが目的になってしまう。その結果、算数の問題でも、解き方を理解するのではなく丸暗記するようになってしまいます。

 ですから、点数を稼がなければならないような簡単な問題、たとえば1行問題のようなものをぼろぼろと間違うようになる。

--スランプに注意する時期はありますか?

 スランプに陥るのは、塾の勉強のレベルが変わるときです。4年から5年に、5年から6年に変わるとき、そして入試を意識した問題が出始める6年生の今ごろ(6月)です。

 それまでは暗記でなんとかなっていた4年生が、5年生では解けなくなる。暗記力のよい子は5年生もそれで突っ走れる場合もある。でも、そういう子も6年になるときにつまずく。入試が近くなってくると、問題の文字数が増えてきます。ということは、問題で問われる条件の数が増えるわけです。ですから、この問題を解くにはどの条件の何を使うか、から考えないといけない。しかし、大量の宿題をこなすことだけを考えてきた子は、そういう考え方ができなくなっている、あるいはそういう気持ちの余裕を失っているのです。

--危険信号に気付くには?

 お母さんは一度、お子さんが問題を解いているとき、目線の動きを観察してみるとよいです。問題文が5行あるのに目線が一往復しかしないでもう解き始めているようなお子さんがとても多いのです。しっかり問題を読んでいないから間違えるわけです。

 そういう場合は、勉強の量を減らして、取組み方を変える必要があります。

--多忙な父親の受験への関わり方についてアドバイスをお願いします。

 日頃忙しく子どもの学習に関わっていないお父さんが、たまに子どもの勉強を見てあげようという親切心を出すと、よいことはありません(笑)。それまでの流れを知らないものだから「なんで今頃こんな問題も解けないんだ」ということになってしまう。

 お父さんの役割は、お母さんの気持ちを安定させること。そこに徹してほしいです。感情的になっているお母さんの熱を冷ましてあげるとか、ねぎらいの言葉をかけてあげるだけでよい。それに尽きますね。
《石井栄子》

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