【e絵本】お子さんが行き詰まっている時に「ディジーのポピー」

 怒り、悲しみ、緊張、落胆。日々生きていれば、子どもか大人かに関係なく経験する、マイナスの感情。むやみに押さえる必要はないけれど、どうやって方向転換していくかというのは、コツをつかむまでが結構大変だったりする。

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ディジーのポピー
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 怒り、悲しみ、緊張、落胆。日々生きていれば、子どもか大人かに関係なく経験する、マイナスの感情。むやみに押さえる必要はないけれど、どうやって方向転換していくかというのは、コツをつかむまでが結構大変だったりする。

 今回紹介するのは、そんな感情をむき出しに生きてきた、猫のディジーのお話。「ディジーのポピー」、350円。iPhone/iPad対応、プライマル・スウィッチより配信中。

 ディジーの口ぐせは、「あたしはかわいらしくないから」。そう言って怒ってばかりいるので、友だちもいず、いつもひとりぼっちだ。周りのみんなはディジーのことを、「おこりんぼディジー」なんて呼んで、嫌う。

 でもある日、やっぱり友だちが欲しくなった彼女は、丘の上の花屋に出かけてゆく。そこで出会ったおじさんとのやりとりが、彼女の気持ちに少しずつ変化をもたらして…。鮮やかな色使いが印象的な、「一歩踏み出したくなる」物語だ。

 子どもたちの中にもディジーのように、引っ込み思案やら泣き虫やら、マイナスの感情をコントロールしあぐねている子がいることだろう。あるいはまた、ディジーの周りの子のように、そんな存在と距離をとったり、あからさまに疎んじる子もいるのだと思う。

 でも、大人にはどうか、そんな状態を頭ごなしに怒らないでほしいのだ。誰しも抱く気持ちが、ちょっと多めなだけなのだから。

 大切なのは、切り替えスイッチの見つけ方。そいつの答えは一通りじゃない。絵本や絵本アプリには「生きる本質」が詰まっているから、解決のヒントを見つけられるはずだ。我が子が行き詰まっている時、一緒に読んで考えてみてほしい。
《てらしまちはる》

てらしまちはる

ワークショッププランナー/コラムニスト/絵本ワークショップ研究者。東京学芸大学個人研究員。2022年3月に単行本『非認知能力をはぐくむ絵本ガイド180』(秀和システム)を刊行。絵本とワークショップをライフワークとしている。アトリエ游主宰。

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