【e絵本】デジタルの良さを活かした絵探しアプリ「ねこみっけ」

 先週に引き続き、2月末に発表された「デジタル絵本アワード」での受賞作品を紹介する。iPad用アプリ「ねこみっけ」。アクシスより、無料配信中だ。

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 先週に引き続き、2月末に発表された「デジタル絵本アワード」での受賞作品を紹介する。iPad用アプリ「ねこみっけ」。アクシスより、無料配信中だ。

 「どろぼうねこ」という猫のキャラクターを、絵の中から探し出すのが楽しいこのアプリ。町中から海の底のようすまで、ひと続きに描かれた細かな絵を見ていると、どろぼうねこがなかなか見つからないもどかしさの一方で、単純に「絵を読む」面白さを実感する。

 「あ、釣りをしてる人がいる」「畑にはどんな野菜が植えてあるかな」など、途中の時間もみんなで盛り上がれること間違いなしだ。

 こちらの作品は、アワードで設けられた「作品部門」「企画部門」の2部門のうち、「企画部門」で原案が準グランプリを受賞したもの。案を滝原宏野さんが応募し、受賞を受けて3月末に世に送り出された。

 絵さがし遊びは、たとえば「ウォーリーをさがせ!」(現・「新ウォーリーをさがせ!」、マーティン ハンドフォード作・絵、フレーベル館)や「ミッケ!」(ジーン・マルゾーロ文、ウォールター・ウィック写真、小学館)などのように、絵本でも根強い人気を保つ分野である。今回のアプリでは、その普遍的な魅力をデジタルで表現することで、新たな境地を開拓したように思う。

 アプリを開くたびにキャラクターの位置が違うとか、読み手が隠し場所を設定できるといった本アプリの工夫は、デジタルならでは。今後の展開に期待が高まる。

 ところで筆者は、紙の絵本の絵探しも、変わらず大好きだ。動かないからこそ、前の成果を蓄積していく楽しみがある。絵本の長所、デジタルの長所をそれぞれが追求することで、ともによい作品が世に放たれていけば良いと願っている。
《てらしまちはる》

てらしまちはる

ワークショッププランナー/コラムニスト/絵本ワークショップ研究者。東京学芸大学個人研究員。2022年3月に単行本『非認知能力をはぐくむ絵本ガイド180』(秀和システム)を刊行。絵本とワークショップをライフワークとしている。アトリエ游主宰。

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