信学会、デジタルを活用した「次世代幼稚園」に向け実証実験

 学校法人信学会とキャスタリアは5月14日、幼稚園の園児と教職員を対象に、教育効果や業務の効率化の向上を目指す実証実験を行う「デジタルを活用した次世代幼稚園」プロジェクトを5月下旬より開始すると発表した。

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 学校法人信学会とキャスタリアは5月14日、幼稚園の園児と教職員を対象に、教育効果や業務の効率化の向上を目指す実証実験を行う「デジタルを活用した次世代幼稚園」プロジェクトを5月下旬より開始すると発表した。

 信学会は、長野県長野市に本部事務局を置く学校法人。幼稚園・保育園をはじめ、駅伝や高校野球でも有名な佐久長聖中学・高等学校、大学、短大、予備校など、関係グループ全体で在籍する幼児・生徒・学生数は約1万6千名、教職員約800名を数え、大学以外の学校法人では日本最大級の規模を誇るという。

 一方キャスタリアは、「モバイル&ソーシャル」をコンセプトに、教育市場向けデジタルコンテンツの開発やWebメディアの運営などを行っている。

 同プロジェクトは、幼稚園から予備校生までの全世代において、スマートフォンやタブレット端末を導入しデジタルを活用した教育の実証実験を行う「NASE(NAgano Super Education)プロジェクト」の第1弾として行われるもの。信学会が運営する佐久幼稚園の教職員約30名にiPod touchおよびiPhone端末を配布。園児の出欠管理や健康状態などの情報を教職員間で共有する専用のWebアプリケーションを用い、幼稚園の運営システムの指導形態を効率的にコントロールしていくという。

 また園児にも、タブレット端末を配布し、教育効果の向上を図る実証実験も行う予定。実験と併行して、学習の履歴や成果を集積していくデータベース「ePortfolio(イーポートフォリオ)」も開発し、幼稚園児からの活用を目指すという。

 今回のプロジェクトに先立ち、両者ではアメリカ・メイン州オーバーン市内の幼稚園を訪問し、児童1人に1台のiPadを配布し、授業に活用している様子を視察したという。さらに、同市の幼稚園と信学会グループの幼稚園で、プロジェクト運営に関して交流を図っていくことも決定したという。

 信学会では、グループ全体で日本一の規模となる20園の幼稚園・保育園を運営しており、来年3月まで佐久幼稚園での実証実験を行った後、4月以降には他の幼稚園にもデジタルデバイスを順次導入していくとしている。
《田崎 恭子》

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