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【EDIX】つくば市が考えるICT教育とは、新設公立小中一貫校「春日学園」の教頭が語る

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つくば市の先生が行ったICT教育の事例集、つくば市教育委員会のWebサイトから入手可能
  • つくば市の先生が行ったICT教育の事例集、つくば市教育委員会のWebサイトから入手可能
  • 子どもが主役のICT教育を紹介する毛利靖氏
  • デジタル黒板を活用して俳句を発表する学生を紹介
  • 携帯のテレビ会議機能使い、博物館の研究員に質問をしている小学生を紹介
 つくば市が同市立の全小中学校を9年間の一貫教育に編成したのは2012年4月。その中で、施設一体型校として新たに開校し、編成の象徴となっている春日学園の教頭毛利靖氏が、つくば市が考える生徒主導型のICT教育を紹介した。

 教育ITソリューションEXPO(EDIX)の専門セミナー会場では、用意されていた350席が満席になり、毛利氏の登壇後もスタッフが席の追加対応に追われていた。公立の小中校一貫編成と、つくば市のICT教育への関心の高さがうかがえた。

 つくば市では、教育ICTの「C」に4つの意味(恊働力Community、言語力Communication、思考・判断力Cognition、知識・理解力Comprehension)を持たせていると毛利氏は説明する。電子掲示板による学校間恊働学習は恊働力の向上や意見交換による思考の深まりを、テレビ会議による研究所との連携は、言語力を養うという。

 また、学校や家庭からインターネットにアクセスして利用できる「つくばオンラインスタディ」では、小学校1年生から中学3年生までを網羅した約10万題のeラーニング教材が用意されており、苦手な教科の問題を何度も繰り返し解いたり、得意な科目は学年関係なく先に進めるようできているという。場所に捉われず、知識・理解力を深めることが可能だ。

 また、市内全小中学校が参加するプレゼンテーションコンテストを毎年開催しており、生徒が調査研究したことを電子黒板などを活用して発表する。同市の市長や教育長も参加し、優秀作品には市長賞、教育長賞、インテル社賞などが送られる。その上、これらのプレゼンテーションは、市役所や市立図書館で上映され、子どもの学びが大人の意識や市制に影響を与えていくという。「子どもたちが自分の言葉で喋って地域を変えていく」、そんな教育を目指していると毛利氏は語る。
 
 同氏によると、これらの取り組みは、「つくばだからできる」という声が他地域の教育関係者の間で多いという。ただ、5、6年に1度どの地域でも行われる学校のPC入れ替え時に、デスクトップからタブレット端末に変更するだけでICTの活用の場は広がると説明。つくばでの過去のICT教育活用実践事例集がWebサイトで公開されていることにも触れ、全国の教育現場で活用してほしいと呼びかけている。

 変化の激しい教育現場に携わる関係者には、今後のICT教育の取り組みについて刺激を受け、後押しされた人も多いのではないだろうか。つくば市の小中一貫教育も4月に始まったばかり。保護者や生徒の満足度、学力レベルの変化など、今後の動向に注目したい。
《湯浅大資》

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