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品川女子学院がiPad活用授業…Facebookを使い英語で情報発信

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iPadの操作方法を先生が指導
  • iPadの操作方法を先生が指導
  • 日本語での自己紹介でアイスブレーキング
  • iPadにアプリをダウンロード
  • iPadでFacebookに投稿
  • 分からないところは一緒に解決
  • スライドショーをアップロード中
  • 英文プロフィールをクライスメイトと共有
  • Facebookのプライバシー設定方法を学ぶ
 品川女子学院は、中高生ITプログラムを企画・運営するピスチャーとともに、「iPad×English」特別講座を7月9日に実施。約40名の中等部3年生を対象に、iPadとFacebookを活用した英語での情報発信型授業を行った。

 品川女子学院とピスチャーが目標としたのは、デジタルガジェットを1人1台持つことが当たり前とされる近未来に向け、生徒ひとりひとりがモバイル端末などのデジタルガジェットの利便性を理解することだという。デジタルガジェットと言うと幅広いが、従来の携帯電話同様スマートフォンの電源を切ることを義務づけている同校が着目したのはタブレット端末だ。今回の講座では、アップルの協力によりiPadを採用したという。

 講座内容は、iPadを活用し、Facebookでの情報発信を英語で行うこと。講座の対象となった中等部の生徒は、来年3月にニュージーランドへ1〜3週間の修学旅行を予定しており、海外でも主要ソーシャル・ネットワーキング・サービスとして位置づけられるFacebookの活用を英語で試みたのが同講座の特徴だ。iPadやFacebookの活用だけでなく、英語を取り入れることで就学旅行先での滞在が少しでもスムーズに行えることを意識した一石二鳥の企画だという。

 約2時間半に及ぶ講座の最終目的は、Facebookに生徒個人の英文自己紹介とスライドショーをアップロードし、クラスメイトと共有すること。その過程には、さまざまなハードルが設けられており、プロフィールの英訳、画像の編集や取り込みを含むスライドショーの作成、クラスメイトとの共有、Facebook上でのプライバシー設定などが意図されていた。大まかな説明は同校情報科主任の酒井春名教論と英語科の山本朋美教論を始め、ゲストティーチャーとして参加したピスチャー代表の水野雄介氏と同社副代表の小森勇太氏の4名が担当したが、従来の生徒受身型授業より生徒主体の課題解決型教育が重視された点が特徴だ。

 興味深かったのは、自己紹介を英語で作成していくうえで、生徒たちが自由にiPad内の辞書アプリやインターネットの検索機能を活用していたことだ。生徒が分からないことを先生が解決するのではなく、それぞれの生徒がさまざまなiPadの機能を活用し解決していく。情報収集能力が問われる課題だが、iPadを活用することによって、生徒たちが楽しみながら情報を集めていく様子が印象的だった。

 目を引いたのは、自身を「ゆるキャラ」と表現した生徒だ。造語の英訳は、辞書を活用するだけでは難しい。そこで、求める情報が辞書アプリにないことがわかるとインターネット上の検索機能に切り替える。検索結果に目を通し、意図とするニュアンスにもっとも近い英文を書き出したうえで、自分を表す英単語のひとつとしてFacebookに加えていく。適切な情報収集方法が見つからない場合は、まわりの生徒と情報交換し、適切な情報収集方法を学びながら自分を表現するもっとも適切な英単語を探す。21世紀型スキルをはぐくむ教育とは、このような授業を指すのではないだろうか。

 そのうえ、英語への抵抗も和らいだという。英語を母国語とする人のFacebookプロフィールを数件紹介することで、間違ってはいけない英語から、より実践的で、単語の羅列だけでも伝わる英語に満足する生徒が増えたようにさえ感じた。

 教育ICTと英語を交えた講座を開くことで、21世紀型スキルを身につけていくモデルケールとなりえたのが今回の講座の特徴だろう。学校の授業の一環としてFacebookを活用することに抵抗を感じる保護者がいるのが現状だと酒井教論は話す。その一方で、今では、企業側が就職活動に利用するFacebookから生徒を遠ざけることへのメリットは少ないだろう。プライバシー設定を含めた正しい活用方法を生徒が学べる環境を整えることが何より大切なのかもしれない。

 2013年3月に同校で実施されるニュージーランドへの修学旅行後には、品川女子学院生徒のFacebookにニュージーランドの友人が多数加わるだろう。海外とのつながりを容易にするFacebookというツールと、それを可能にするデジタルガジェットの可能性は、帰国後始めて実感されるのかもしれない。

 これまでもさまざまな先進的プロジェクトに関わってきた品川女子学院と、多数の中高生に影響を与え続けるピスチャーの今後の動向に注目したい。
《湯浅大資》

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