【読書感想文 2/3】読書段階での秘策、子どもの関心をピックアップ

 小学生の夏休みの課題で親子ともに頭を悩ませるもののひとつに読書感想文がある。本選びの段階だけでなく、子どもが実際に本を読む過程においても着手すべきテクニックがあるとSS-1代表の小川大介氏は解説する。

教育・受験 学習
中学受験 個別指導のSS-1代表、小川大介氏
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 小学生の夏休みの課題で親子ともに頭を悩ませるもののひとつに読書感想文がある。どんな本を選べばいいのか、何を書けばいいのか、といった基本的な問題から、読書が苦手な子どもにどう読書感想文を書かせるのかなど、課題に対する姿勢から具体的なテクニックまで、個別指導教室 SS-1の代表小川大介氏に聞いた。

 本の選び方についての解説に続き、今回は、読書段階においての注意点やテクニックに関して小川氏に語っていただいた。

◆本のすべてを同じ集中力で読ませる必要はない

 本選びの段階では、子どもが選んだ本の内容よりもプロセスを重視すべきと論ずる小川氏。読書の段階においても、読むことで得る知識より、子どもの本の接点を大切にする小川氏の目線が特徴的だ。

 何より必要なのは、読書をしながら子どもと本の接点を表面化していくことで、感想文を書く段階で必要な要素をピックアップすることだという。「これは面白い」という漠然とした感想から、「へぇー」という新たな知識を得た感覚、「それは知っている」という得意気な感情まで、本の内容と結びつけながら子どもの感想をマッピングする。その過程の中で、「面白い」などの漠然とした感情を効果的な質問で掘り下げていく。子どもが読書をするうえでの保護者の役割は大きい。

 小川氏は、子どもがなんらかの関心を持ったところを覚えておくためには、本に付箋を貼ったり、ノートにメモしたり、必要であれば本に書き込みを入れたり、マーカーを入れたり、ページを折ったりしてもよいという。教科書や本は、きれいに読まなければという意見もあるが、小川氏はメモや書き込みなどを行うことを否定しない。

 さらに本の活用はこれだけではない。小川氏は、1冊を読破するための工夫として目次やページを行き来できることも活用すべきだという。本は、読み直したり、先のページを読んだりできる媒体である。さらに目次は本の全体を見渡す地図の役目も持っている。これらの機能をいかし、読み続けるモチベーションが下がったとき、前のページに戻ったり、目次を見て次の展開を予想したり、どのあたりが面白そうになるか、そのようなことを考えながら読み進めるのも読書の楽しみのひとつだと話す。

 だからこそ、本を最初から最後まで、同じ集中力で読ませる必要はないと小川氏は語る。読書感想文に必要なのは、子どもが関心をもった場面であり、じっくり読むべき個所と、そうでない個所のメリハリも必要だという。関心のない個所をじっくり読むよう強制する必要はなく、強制することで子どもの読書に対する意識に悪影響をおよぼす可能性もあるようだ。興味深く読んでいる個所を保護者がピックアップし、理由を聞いていく。その会話の中で、作文の内容は決まっていくという。

 本選びから読書段階において意識すべき内容を今回の「読書感想文対策」連載にて扱ってきた。最終回となる次回は、感想文を実際に書き上げるうえで必要なテクニックや、保護者の注意点に触れることで、読書感想文をより身近なものに感じてもらえればと思う。今夏ぜひご活用いただきたい。
《中尾真二》

中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。エレクトロニクス、コンピュータの専門知識を活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアで取材・執筆活動を展開。ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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