【e絵本】ギターに太鼓、ピアノの音が物語をふくよかに「マルコと小さな兄弟」

 習い事などで、楽器に親しんでいる子どもたちは多いことと思う。筆者自身も小さなころからピアノに触れていたのだが、そういう経験は不思議なもので、絵本や小説を読む時の感覚を豊かに広げてくれる。

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マルコと小さな兄弟
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 習い事などで、楽器に親しんでいる子どもたちは多いことと思う。筆者自身も小さなころからピアノに触れていたのだが、そういう経験は不思議なもので、絵本や小説を読む時の感覚を豊かに広げてくれる。特にお話に自分の慣れ親しんだ楽器が出てくる場合、その想像のふくらみようと言ったら…!

 今回紹介するのは、iPad対応「マルコと小さな兄弟」(日本語版)。作・絵/ひだかきょうこ、音楽/ショピン。4Dbooksより、500円にて配信中。

 古いギターの中に住む小さな兄弟は、いたずらが大好き。腕利きの職人・マルコの営む楽器屋に来てからも、彼の修理を見たいあまり、せっかく直した楽器をわざと壊してしまう。そんなある日、街にやってきたサーカス隊。調子が悪くなった団長のラッパをきっかけに、兄弟は意外な行動に出るのだが…。

 兄弟の住処であるギターのほかにも、バイオリンやチェロ、ピアノ、太鼓など、作中には数々の楽器が登場する。いたずらばかりの兄弟がマルコに向ける、実はあたたかなまなざしに、多彩な音が加わって、物語はふくよかさを増していくようだ。

 画面にたくさんの仕掛けがあるのも、この作品の楽しいところ。ギターの弦に触れると、本物のギターさながらそれぞれの弦で違う音が出るなど、芸も細かい。日頃音楽に親しんでいる子どもたちが自分に引き寄せてお話に入れるのはもちろん、まだ楽器に触れたことのない子が扉を開くきっかけにもなりそうである。

 ちなみに、本アプリには最近になって「日本語、英語拡張版」も登場。無料ダウンロードのうえ、アプリ内課金で800円。こちらは12月1日から2013年1月15日まで、アプリ内課金が250円なる値下げキャンペーンを実施中だ。英語の力を伸ばすのにも、一役買ってくれそうな予感。
《てらしまちはる》

てらしまちはる

ワークショッププランナー/コラムニスト/絵本ワークショップ研究者。東京学芸大学個人研究員。2022年3月に単行本『非認知能力をはぐくむ絵本ガイド180』(秀和システム)を刊行。絵本とワークショップをライフワークとしている。アトリエ游主宰。

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