【EDIX2013】マルチデバイス対応のクラウド型電子教科書…京セラ丸善が出展

 電子教科書は、学校教育法に定められた「教科用図書(教科書)」として認められていないが、副教材や大学・専門学校などのテキストとしての利用は着実に進んでいる。EDIXでは、クラウド型の配信サービスも注目されているようだ。

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BookLooperの書棚画面
  • BookLooperの書棚画面
  • 京セラ丸善システムインテグレーションの電子教科書配信サービス
  • PDF化された電子教科書
  • ダウンロード型なので、クラウドにアクセスできなくても利用可能
 電子教科書は、学校教育法に定められた「教科用図書(教科書)」として認められていないが、副教材や大学・専門学校などのテキストとしての利用は着実に進んでいる。その中、クラウド型の電子教科書の配信サービスも始まっており、EDIXに出展している京セラ丸善システムインテグレーションも同サービス提供社のひとつだ。

 EDIXの同社ブースで展示されていたサービスは、創価大学看護学部で採用実績があるものだという。特徴はDRM機能を強化し、出版社からのコンテンツ提供のハードルを下げたこと。また、コンテンツはPDFベースとし、改めて電子教科書用にデータを作り直したり、専用システムによるオーサリングをなくしたりと手間をなくしている。PDFベースにしたのは、クラウド型の配信でマルチデバイス(iOS、Android、Windows)に対応させるためで、データの扱いが楽だったからだと担当者は話す。

 このサービスはクラウド型だが、DRMによって保護されたデータであるためダウンロードして利用することができる。また、一度ダウンロードすると生徒・学生は自宅や外出先などインターネットにつながらないところでも閲覧し勉強することができるのも特徴だ。現在7社ほどの教科書コンテンツが配信可能で、配信プラットフォームはいくつかの大学で採用されているBookLooperをベースにしている。

 BookLooperの基本的な機能であるマーカー、全文検索のほか、決済機能や資料の配信、利用状況のログ機能なども備わっている。ログ機能は、教材開発や講義の質向上などにも活用できるという。利用料金は、配信するアカウントあたりの単価が設定される月額制が基本となるが、金額などは個別見積もりとなるようだ。
《中尾真二》

中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。エレクトロニクス、コンピュータの専門知識を活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアで取材・執筆活動を展開。ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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