少年の凶悪犯罪は増加、万引きは減少…警察庁2012年犯罪情勢公表

 警察庁は6月6日、2012年の犯罪情勢の統計を発表した。少年の凶悪犯や性犯罪は前年度より増加し、2004年以降最多になった。一方、初発型非行の検挙人員は依然として多いが、過去10年間にみて減少傾向にあり、特に万引きが前年比24.3%減と大きく減少した。

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少年による刑法犯検挙人員の推移
  • 少年による刑法犯検挙人員の推移
  • 少年による初発型非行検挙人員の推移
  • 触法少年の補導人員の推移
  • 2012年就学別・場所別被害発生件数
 警察庁は6月6日、2012年の犯罪情勢の統計を発表した。少年の凶悪犯や性犯罪は前年度より増加し、2004年以降最多になった。一方、初発型非行の検挙人員は依然として多いが、過去10年間にみて減少傾向にあり、特に万引きが前年比24.3%減と大きく減少した。

 2012年中における少年の刑法犯検挙人員は65,448人で、前年と比べて15.8%減少した。罪種別に過去10年間の推移をみると、殺人や強盗などの凶悪犯については下げ止まりの傾向がみられ、前年に引き続き増加した。また、2012年中の性犯罪(強姦および強制わいせつ)検挙人員は455人で、前年に比べて31.5%と大幅に増加し、2004年以降、最多になった。

 少年の初発型非行(万引き、オートバイ盗、自転車盗および占有離脱物横領)の検挙人員は刑法犯少年全体の約7割を占めているが、過去10年間で減少傾向にあり、2012年中は、43,302人と、前年に比べて20.6%減少した。特に万引きが24.3%と大きく減少した。同様に、オートバイ盗は前年に比べて13.7%、自転車盗は14.0%、占有離脱物横領は20.6%減少した。

 また、2012年中の触法少年(14歳未満で刑罰法令に触れる行為をした少年)の補導人員は、13,945人で、前年に比べて16.1%減少し、3年連続で減少した。

 子どもの犯罪被害状況として、子どもの被害件数は206,133件で、刑法犯被害者件数に占める子どもの割合は18.9%になっている。罪種別にみると、窃盗177,512件がもっとも多く、ついで暴行5,338件、傷害5,337件、強制わいせつ3,791件、恐喝1,770件となっている。

 子どもの犯罪の被害にあう割合が高い場所をみると、未就学児童については共同住宅、一戸建て住宅および道路上が高く、小学生、中学生は駐車(輪)場、共同住宅および道路上が高くなっている。

 国の治安対策や自治体、ボランティア団体などによる犯罪抑止対策により刑法犯認知件数は減少し、数値面での改善が図られているものの、依然として子どもが被害者となる犯罪が発生している。そのため、地域社会の連帯感やきずな、人々の高い規範意識を高め、犯罪の起きにくい社会づくりを目指していきたいという。
《田中志実》

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