【MOOCs-2/3】誕生の経緯~発展の背景

 大学レベルの講義を誰でも無料で受講できるオンラインコース「MOOCs(ムークス)」。第2回ではMOOCs誕生の経緯、および発展の背景について述べる。

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 大学レベルの講義を誰でも無料で受講できるオンラインコース「MOOCs(ムークス)」。第2回ではMOOCs誕生の経緯、および発展の背景について述べる。

◆MOOCs誕生の経緯

 MOOCsは2010年頃を境に、インターネット上の新しい学習環境として注目を集めるようになった。しかしMOOCsは突如現れた「発明」というよりは、それ以前に数十年来取り組まれてきた教育におけるテクノロジー利活用の「進化」の延長線上にあるといえる。

 MOOCsのようなインターネットを用いたオンライン教育は、1990年代の先進国におけるインターネットの普及によるeラーニングの普及が発端であった。21世紀に入り、大学や非営利団体が教材や講義ビデオなどの教育コンテンツをインターネット上で無償公開する活動が活発となった。

 このような活動は「オープンエデュケーション」とよばれる。2001年頃から、マサチューセッツ工科大学が提唱した大学講義に関わるすべての資料を無償公開する取組みであるオープンコースウェア(OCW)や、教育に使えるさまざまな教育資源であるオープン教材(Open Educational Resources: OER)の制作が普及した。

 加えて、このような教材を使って学ぶオンライン上の学習コミュニティや、Khan Academyに代表される個人や非営利団体によるオープン教材の制作や公開が精力的に推進された。

 MOOCsの発端は、2008年に大学教員のグループが個人で開講したオンライン講座だとされている。このようなMOOCsは別名“cMOOCs”ともよばれ、教員と受講者がフラットな関係性の中で協同的に知識を構築し、ブログ等で互いの考えを交流しながら学ぶことが目指されている。

 これに対し、先に述べたような大学レベルの教育を大規模にオンラインで実施する講座は“xMOOCs”ともよばれる。特にxMOOCsのようなMOOCsは、オープンエデュケーションの活動で培った知恵と蓄積を活かしつつ、インターネット上でオンライン講座を開講することで、大学やプロバイダーがオープンな教育サービスを提供する取組みだといえる。
《重田勝介》

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