【MOOCs-3/3】ビジネスモデルと国内大学の動き、そしてMOOCsへの期待

 大学レベルの講義を誰でも無料で受講できるオンラインコース「MOOCs(ムークス)」。第3回ではMOOCsが無償の理由や国内大学の参加状況、MOOCsへの期待について述べる。

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 大学レベルの講義を誰でも無料で受講できるオンラインコース「MOOCs(ムークス)」。第3回ではMOOCsが無償の理由や国内大学の参加状況、MOOCsへの期待について述べる。

◆なぜMOOCsは無料なのか

 大学が学費を受け取って開講している講義を、MOOCsは無償で公開している。MOOCsがこのような無料モデルを採用している理由は、有料で教育コンテンツを販売するビジネスモデルが成立しにくいと考えられていることから、コンテンツは無料で提供し、他の形で費用を回収する収益構造を目指していることがある。

 これまでのオープンエデュケーションの活動は、慈善寄付団体からの寄付に頼っていたが、MOOCsを公開する教育ベンチャー企業や大学は、現状では活動の原資の多くをベンチャーキャピタルからの出資に頼っている。

 CourseraやUdacityなどMOOCsプロバイダーでは、収益を生み出すビジネスモデルとして、有料の認定証交付による手数料の徴収や、学習コースで優秀な成績を収めた学生を企業に斡旋することによる手数料収入(ジョブマッチング)、カスタマイズ教材の販売などが検討されている。

 しかし、このビジネスモデルはまだ模索の段階にあり、これに基づいた活動が実際に収益をもたらし持続的に活動を支えられるかが、MOOCsの今後の拡大や存続を左右する一つの要因となるだろう。

 edXのような大学連合コンソーシアムによるMOOCsでは、MOOCsの開講が大学の広報や優秀な学生の確保につながることを示すことが、活動の継続を左右すると考えられる。
《重田勝介》

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