長野県、有識者会議で生徒・保護者が匿名で教師を評価する制度案が明らかに

 長野県教育委員会が設置している「評価制度改善のための有識者会議」において、児童・生徒・保護者が匿名で、授業を担当する教諭や学校を評価する制度案が明らかにされた。

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長野県教育委員会「評価制度改善のための有識者会議」
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  • 匿名性を担保した学習者による評価活動の流れ(案)
 長野県教育委員会が設置している「評価制度改善のための有識者会議」において、児童・生徒・保護者が匿名で、授業を担当する教諭や学校を評価する制度案が明らかにされた。

 現在検討されている「匿名性を担保した評価」では、児童・生徒、保護者が評価者である「学習者」となり、満足度を5段階で評価する。評価は「授業評価」と「学校評価」の2つ。「授業評価」は中学校、高等学校を対象に行われ、授業を担当する教諭、助教諭、講師が被評価者となる。「学校評価」は小学校、中学校、高等学校、特別支援学校を対象に行われ、校長や学級担任、部活顧問などが被評価者となる。

 「授業評価」は、授業を受けた者がその授業にどの程度満足したかを評価するものであり、授業改善のために学校側が用意した質問に答える「授業アンケート」とは理念が異なるとしている。小学校では、「授業評価」を「学校評価」の中で実施する。評価の目的は、授業を通してよかった点や改善すべき点を明確にして、それを被評価者へフィードバックすることにあるという。

 評価シートの例では、マークシート方式で回答する部分のほか、自由記入欄が設けられており、学校や授業に対する注文や改善点を記入できる。義務教育の小中学生の場合は、必ず家に持ち帰って保護者と子どもが相談しながら実施するが、高校の場合は生徒だけで実施する場合もあり得るという例外規定が提案されている。また、学習者の声が正確に反映されるよう、匿名性に配慮して回収するとしている。

 有識者会議の会議資料、議事録は県教育委員会のWebサイトから閲覧できる。なお、この評価制度改善については、年度末までに検討結果を公表して、平成26年度からの実施を目指している。
《黄金崎綾乃》

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