東京都統一体力テスト、全国の平均を全般的に下回る…中高生に顕著

 東京都教育委員会は1月9日、都内公立学校の全児童・生徒を対象にした「体力・運動能力、生活・運動習慣等調査」の平成25年度調査の分析結果を公表。向上傾向にあるものの、依然として全国平均を下回ることが明らかとなった。

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体格測定、体力・運動能力調査の全国との比較
  • 体格測定、体力・運動能力調査の全国との比較
  • 体力・運動能力調査の3年間の傾向
  • 生活・運動習慣等調査
 東京都教育委員会は1月9日、都内公立学校の全児童・生徒を対象にした「体力・運動能力、生活・運動習慣等調査」の平成25年度調査の分析結果を公表。向上傾向にあるものの、依然として全国平均を下回ることが明らかとなった。

 同調査は「東京都統一体力テスト」とも呼ばれ、平成23年度から都が独自に実施。児童・生徒の体力や運動習慣の現状を把握・分析することにより、これらの向上に係る施策の成果と課題を検証し、その改善を図ることを目的としている。調査の実施期間は平成25年度4月から6月まで、対象は都内の公立小学校・中学校・高等学校などに通う児童・生徒916,893人。

 平成25年度の全国平均値と比べると、体格は全国と同程度だが、体重に関しては下回る傾向がある。特に、高校では男女全学年で体重が全国平均値を下回った。体力・運動能力調査では、小学5・6年生(女子)の「長座体前屈」、3・5年生(女子)の「50m走」は全国を上回り、「反復横とび」「20mシャトルラン」「立ち幅とび」「ソフトボール投げ」は男女全学年で下回った。中学校は男女全学年で9項目すべて、高校は男女全学年で8項目が下回った。

 一方で、平成23年度統一体力テストからの3年間と比較すると、3年間で全般的に上昇傾向にあることがわかった。しかし、昨年度と比べ、中学校・高校は横ばい、または低下している。テスト項目別の3年間の傾向では、「上体起こし」「反復横とび」「20mシャトルラン」が上昇傾向、「ボール投げ」が低下傾向にある。

 また、生活・運動調査では、運動に苦手意識をもつ児童・生徒が学年とともに増加。女子の例をみると、小1では「運動が好き」が93.5%だったのに対して、中1で80.9%、高3では75.1%に減ってしまう。「運動が得意」と答えた割合も同様の傾向で、小1で75.7%、高3では44.5%となっている。このことから、「運動が嫌い」よりも「運動が不得意」が多いことがわかる。また、運動をまったくしない割合は、小5で5.4%だったが、中2で16.9%、高2で37.3%となっており、中学以降運動をしない生徒の割合が増加。高校では、実施頻度「週3以上(36.2%)」と「しない(37.3%)」がそれぞれ約4割を占め、二極化がみられる。

 今後は、課題である「中学校・高校の運動能力の低下に対する有効な手立て」「日常的な生活習慣の改善」などに対して、「中学校の体育授業において、効果的な補助運動を行うための教員研修を実施」「脳と体を調整し、運動意欲を高めるコーディネーショントレーニングを実施する学校を支援」などの4事項を重点的に取り組んでいくという。
《黄金崎綾乃》

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