品川女子学院がEvernote導入、iPad miniを活用する女子高生たち

 品川女子学院は5月26日、タブレット端末の活用事例を紹介する模擬授業を行った。同校による米Evernoteの企業向けクラウドサービスの導入が発表されたこともあり、CEOのフィル・リービン氏なども参加した。

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集合写真
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  • 3つの教訓を伝えるフィル・リービン氏
  • 模擬授業でiPad miniの活用事例を生徒から引き出す神谷岳先生
  • 模擬授業の様子
  • パネリストの写真を撮る生徒たち
  • パネリスト
 品川女子学院は5月26日、タブレット端末の活用事例を紹介する模擬授業を行った。同校による米Evernoteの企業向けクラウドサービスの導入が発表されたこともあり、CEOのフィル・リービン氏なども参加した。

 フィル・リービン氏の特別講演に参加したのは、2週間前に配布されたばかりのiPad miniを手にした品川女子学院の生徒約100名。数日後に定期テストを控えているにも関わらず、日々活用しているアプリEvernoteのCEOの言葉に耳を傾けた。

 品川女子学院では、2013年10月から教員と生徒間の連絡事項にEvernoteを活用、同年12月には管理職および教職員10名を対象にEvernote Businessを導入した。今回の発表では、高校2年生の全生徒205名まで導入範囲を広げたという。

 また、品川女子学院は、2014年度より文科省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)に選定され、「起業マインド」の育成に注力していることも、EvernoteのCEOリービン氏の特別講演はタイムリーだった。

 リービン氏は、3つの教訓を生徒に伝える。まず、常に自分より優秀な人に囲まれて仕事をすること、次に人生において大切な100人の仲間を見つけること、そして他人のためではなく自分が本当に望む事業を作ること。自分自身がほしい・必要だと考えた商品やサービスを同じように必要だと考える人々は、世界中に何億人もいると話した。

 模擬授業では、iPad miniを2週間使った生徒たちが活用方法や感想を共有。iPad miniで、ゲーム感覚で英単語を覚えることができる単語帳アプリや科学実験時の写真にノートを加えるアプリなどを利用。また、Evernoteをスケジュールの管理や共有、持ち歩くには重い資料集の画像化などに活用しているという。中には、英語の発音を録音し、ネイティブ発音と比較することで自分の発音を補正するために活用している生徒もいるようだ。

 Evernoteに追加してほしい機能について生徒は、表示・非表示の切り替えが可能なレイヤー機能や共有ノートへの「いいね」機能を提案。生徒の希望を聞いていたリービン氏は、模擬授業中にEvernoteのエンジニアに生徒の要望をメールで伝えたという。

 イベントの最後には、リービン氏のほか、Evernoteの副社長リンダ・コズラウスキー氏、同社日本法人会長の外村仁氏がパネリストとして登壇。生徒からは、Evernoteが求める人材やスキルに関する質問が出され、リービン氏、コズラウスキー氏、外村氏がコミュニケーション能力の必要性を説いた。

 遠くない未来に実現するタブレッット1人1台環境への対応、そしてSGHとして育成する起業マインドの両面において、品川女子学院の今回の試みは興味深いものだった。Evernoteの活用側である生徒たちは、活用事例や改善策を提供。また、同時に生徒たちにとって、Evernoteの責任者たちに起業マインドを学ぶ機会でもあった。

 Evernoteの魅力を知る生徒たちであったからこそ、提供社の責任者たちと意見交換ができたのが感動的であったのだろう。イベント後の会場は、生徒たちがリービン氏、コズラウスキー氏、外村氏を囲み、記念写真の撮影を楽しんでいた。アプリ提供社とユーザー、起業マインドをもつ企業責任者と未来の起業家たちがイベントを楽しむ姿が印象的だった。
《湯浅大資》

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