大阪府立大と大阪市立大の統合、「新・公立大学」モデルを策定

 大阪府立大学と大阪市立大学の統合についての議論は続いているが、両大学は10月27日に「『新・公立大学』大阪モデル」を策定し、基本的な考え方を取りまとめた。両大学の持つ資源を有効活用し、大阪の発展に貢献していくという。

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 大阪府立大学と大阪市立大学の統合についての議論は続いているが、両大学は10月27日に「『新・公立大学』大阪モデル」を策定し、基本的な考え方を取りまとめた。両大学の持つ資源を有効活用し、大阪の発展に貢献していくという。

 大阪府立大学と大阪市立大学は当初、平成27年度の法人統合、平成28年度の新大学スタートを目指していた。しかし、大学設置認可手続きに必要な審査スケジュールが前倒しされることになり、予定通りの統合が困難になり、統合が延期されている。現在は、大阪府知事や大阪市長などをメンバーとする大阪府市統合本部において、今後の展開が議論されている。

 今回、「『新・公立大学』大阪モデル」として策定されたのは、大学統合の基本的な考え方と、新大学の姿。都市大阪の公立大学として求められる地域発展の牽引と課題解決を目的に、グローバル人材の育成や先端研究、異分野融合研究などに取り組むという。

 統合により、文系から理系・医学・獣医学分野までの総合性の持つ公立大学が誕生し、学生数約16,000人、教員数約1,400人と、公立大学では突出した規模になる。新大学では、両大学の持つ資源を最大限活用し、領域の垣根を越えた融合研究を目指すという。

 観光分野では大学院(観光・地域創造専攻)を活用した観光を視点とした地域再生の取組み、健康科学分野では先進的がん治療の「BNCT」に必要なホウ素薬剤の研究、エネルギー分野ではレアメタルフリーの有機分子バッテリーの開発など、具体的な取組みがすでに挙げられている。

 今後、新大学に向けて、両大学の教育組織を基本にさらなる連携強化を進めていく。教員の相互交流の拡大、クォーター制の同時導入、単位互換の拡充、社会人大学院の連携などを推進していく。
《田中志実》

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