【中学受験】西村則康氏に聞く、入塾前準備と塾選びのポイント

 塾選びから、受験生である子どもに対する親の関わり方について、30年以上中学・高校受験指導の実績をもち、「塾ソムリエ」として活躍中の西村則康氏の助言をもとに、一緒に考えてみたい。

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西村則康氏
  • 西村則康氏
  • 西村氏の著書「中学受験は親が9割」
 中学受験は親の受験と言われるほど、入試に向けた準備には、子ども本人だけでなく、親も一緒に取り組まなくてはいけないことが多い。塾選びから、受験生である子どもに対する親の関わり方まで、30年以上の中学・高校受験指導実績をもち、「塾ソムリエ」として活躍中の西村則康氏の助言をもとに、一緒に考えてみたい。

◆中学受験決定の時期と入塾時期、そして入塾準備

 「受験勉強は小学4年生から始めるのがいいと思います」と西村氏は語る。しかしこれは、受験に向けて本格的に勉強をすることを意味する。小学校に入学したときから読み書きなどの基本を身につけておく必要があり、小学3年生では、入塾のための準備をし始める必要があるそうだ。言い方を変えれば、塾に通うのは小学4年生からでいい。しかし、その前に盤石な基礎学力(読み書きそろばん)を身につけることが大事になってくる。

◆入塾時の学力がその後に影響

 入塾に当たっては、なるべく入塾テストでよい点数を取り、上のクラス(難関中学校対策クラス等)に入ることが大事だと西村氏は言う。これは、下のクラスから始まると、上のクラスに上がるのが難しいからだそうだ。このため、入塾に当たって、家庭教師や個別指導を活用するという選択もある。

 さらに、一般には「塾は大手塾に入塾するべき」と西村氏は言う。中学受験に当たっては、教材の開発力やノウハウの蓄積で大手塾にアドバンテージがある。また、各塾にはそれぞれの特徴があり、その特徴を見極めて、子どもの性格に合った塾を選ぶべきだと西村氏は語る。

◆塾の選び方のポイント

 西村氏は、塾の選び方のポイントを3つあげる。

 1つ目は、志望校。志望校によっては、公式などのパターンで解く問題を多く出す中学校や記述式の問題を多く出す中学校など傾向があり、志望校の問題傾向に対応している塾を選ぶのがいいそうだ。

 2つ目は、子どもの特性。たとえば、テキパキと物事を推し進める子ども、納得するまで考える子どもなどいろいろなタイプがいる。子どもの特性を見極め、塾を選ぶようにしなければならない。

 3つ目は、塾が使用しているテキストから考える。テキストには、カラーが使われているか、テキストにストーリーがあるかなど、吟味する必要がある。

 以上の3点を特に注視して塾を選んでほしい。

◆家庭教師や個別指導併用のポイント

 塾での成績が伸び悩んだり、スランプに陥ったりしたときには、家庭教師や個別指導の併用を検討するのも一つの方法だ。

 個別指導塾を選ぶ際には、体験授業を活用することをお勧めする。その際には、保護者も見学し、子どもと先生の相性や授業風景を確認したい。何かしらの理由をつけて、親に授業を見せない教室には通わない方がいい。そして、教えるだけで終わっていないか、つまずきポイントをきちんと見つけ指導してくれているかを見る必要がある。また、楽しそうに授業を受けているかは、何よりも大事なことだ。

 期間を決めて、つまずいているところを見つけてもらい、その克服を目標にして、達成した場合には、「家庭教師や個別指導を一旦やめるのもひとつの方法です」と西村氏は語る。併用は経済的な負担になる場合もあるので、子どもがどこかでつまずいたら、そのつど、家庭教師や個別指導を利用する方法をとってみるのもいいのではないだろうか。
《苅谷崇之》

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