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月980円の小中学生向けオンライン教育、リクルート「勉強サプリ」

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サプリシリーズ人気講師陣と山口氏
  • サプリシリーズ人気講師陣と山口氏
  • リクルートマーケティングパートナーズ執行役員 ネットビジネス本部 本部長、サプリシリーズ総責任者 山口文洋氏
  • 所得格差が教育格差につながっている
  • 21世紀型スキルの違い
  • 受験サプリと勉強サプリの違い
  • マイページではアバターとキャラクターを育成できる
  • 保護者向け授業を担当する石戸氏
  • タブレットで授業動画をみながら学習
 リクルートマーケティングパートナーズは3月2日、小中学生向けのオンライン教育コンテンツである「勉強サプリ」の提供を開始したと発表した。月額980円(税別)から利用できる価格優位性が類似サービスとの差別化ポイントだが、それにはリクルートの戦略と教育改革への想いがあるようだ。

 リクルートマーケティングパートナーズ執行役員 ネットビジネス本部 本部長、サプリシリーズ総責任者 山口文洋氏は、記者発表会で「勉強サプリ」を提供する理由や狙いについて次のような説明を行った。

 リクルートでは、すでに大学受験生向けに「受験サプリ」という過去問題集や、21世紀型スキルのための教育コンテンツを提供するオンラインサービスを展開している。このサービスは山口氏がリクルート社内の新事業コンテストでグランプリを獲得したことから始まったものだ。受験生にさまざまな大学入試の過去問題をオンラインで提供し、学習してもらうことと、経済成長を前提とした教育から成熟社会である21世紀型スキルが求められる現在のグローバルキャリアに応える教育を支援する。

 受験サプリを始めた背景には、所得格差および地域格差が教育格差につながっている現実をなんとかしたいとの山口氏の想いがあったという。月額980円(税別)という金額は平均的な予備校の1~2万円という授業料や通信講座の数千円よりも安い。予備校に通えないような受験生も問題集での自習対策を可能にする。また、オンラインという特性を生かし、地方や海外などで、周辺に予備校がない、距離的に通えないという障害が存在しない。また、時間が自由に使えることで、受験生のモチベーションアップや自主性にもつながる。

 以上のような背景、目的をもって2011年にスタートしてから、順調に利用者を伸ばし、累計会員数は138万人に達した。現在は、無料会員が30万人、有料会員が8万人という実績を誇るという。ペルーの受験生が現地にいながら受験サプリで勉強し、今年の大学受験に合格したという事例も紹介し、多様なニーズに応える受験サプリの特徴を説明した。

 山口氏は、この受験サプリで培ったノウハウや効果を小中学生にも展開するため「勉強サプリ」をリリースしたという。もちろん、受験勉強や21世紀型スキルを身に着けようという高校生向けのサービスは、コンテンツを含めて検討されている。教育格差をなくすというコンセプトは受験サプリから受け継いでいるので、利用料は月額980円(税別)と設定された。コンテンツの品質もこだわった点だといい、各教科にカリスマ講師による小学生、中学生に特化した授業コンテンツが用意される。

 勉強サプリを展開するにあたって留意したポイントはそれだけではない。学校の指導要領に準拠し、単元ごとのコンテンツではなく通年のカリキュラムに沿ったコンテンツをオンラインで提供するのは、おそらく小中学生向けでは業界ではあまり例がない(山口氏)という。また、保護者のリサーチから、小学生から中学生までは学年が上がるほど塾に通う率が上がり、子どもの学習意欲や家庭での指導に悩みが多いことに着目し、家庭での勉強と生活のバランスを最適化し、家庭に学習の主導権を取り戻す狙いもあるとする。

 これを実現するため、前述のカリスマ講師による授業(1,500時間)、教育改革に合わせたコンテンツ(藤原和博氏「よのなか科」、プログラミング学習、ジュニアエラ)、ゲーミフィケーション(アバター機能、サプモン)、アダプティブラーニング(ビッグデータ活用による個別学習支援)、保護者向け教育支援コンテンツ(石戸奈々子氏による授業、まなレポ)といった特徴をもたせた。

 なお、勉強サプリは小学4年生から中学3年生までを対象にサービスが提供される。iOS、Androidのスマートフォン、タブレットで利用できる。
《中尾真二》

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