【英語講師討論(後編)】学ぶ意欲を育み、話せる使える英語を日本の子どもへ

 ベテラン英語講師の座談会より、子どもたちが未来をよりよく生きるために必要な英語について、さらに保護者の英語教育への関わり方、そして小学館アカデミーの新メソッド「イーコラボ」について紹介する。

教育・受験 学習
(左から)イーコラボの芳井先生、井出先生、大木先生
  • (左から)イーコラボの芳井先生、井出先生、大木先生
  • 井出麻美子先生
  • 芳井由美先生
  • 大木美希先生
  • 子どもの英語教育について語る先生方
  • イーコラボの教材を紹介する先生方
 子ども英語教室として45年の歴史を持ち、日本の英語教育の変化に対応し続けてきた小学館アカデミー。その教育現場で長年活躍を続ける井出麻美子先生、芳井由美先生、大木美希先生に、子どもの英語教育の変化について、今後子どもたちがよりよく生きるための英語学習について、2回にわたって語ってもらった。

 第1回目は、子どもの英語教育現場で感じる変化を中心に、英語にまつわる先生ご自身のエピソードを中心に紹介。第2回目は、子どもたちが未来をよりよく生きるために必要な英語について、さらに保護者の英語教育への関わり方、そして小学館アカデミーの新メソッド「イーコラボ」について紹介する。

◆英語学習は保護者のかかわりが重要

--前回は、これからの英語教育がどのように変わっていくかを伺いました。では、その変化を踏まえ、保護者の意識に変化はありますか。

大木先生:保護者の意識は、変わってきていますね。日常、いかに英語に触れられるかに興味をもつようになったと感じます。親御さんも一緒に宿題に取り組み、家族みんなで応援しているということがお子様に伝わるよう、たくさん声をかけてもらっています。教室に来るお母様からも、英語に対する意識が変わってきているんだなと実感しています。

井出先生:保護者も一緒に習う気持ちで受講してもらえると、より成果が生まれます。大人が本気で英語教育に取り組めば、お子様のさらなる上達は、きっと叶うはずです。

--英語が苦手な保護者には、自分の間違った発音を教えることに不安になる方もいるのではないでしょうか。

芳井先生:その国ごとに英語の発音が違いますし、10人いれば10とおりの発音があります。だから気にせず、親御さんはジャパニーズ・イングリッシュで、お子様と一緒にどんどん話して、英語に触れるのがいいと思います。

井出先生:家族全員で英語に取り組むことが、お子様にとってのモチベーションアップにつながります。お子様が一人で取り組んでも、気持ちが途切れてしまうので、全員で一緒に取り組むことが大切ですね。

◆保護者が望むのは、もっと話せる、使える英語

--保護者から、英語教育が変わることについての相談はありますか。

大木先生:私が担当している1、2歳児クラスは、いろいろな成長過程の子が在籍する、親子一緒のクラスです。お子様たちは、英語を音として聞きながら、人に自分の思いや欲求を伝えるツールとして英語を獲得していきます。

 保護者は、すぐに話せる英語を望まれるのですが、子どもはただ聞こえる音として、少しずつ英語に馴染んでいきますので、時間もかかります。なので保護者には、日常から英語に接する時間を増やしてもらうようお伝えしています。たとえば、レッスンに出てくるフレーズは、食べ物など日常使う言葉ばかりなので、保護者にもお子様にも、どういうときに使える言葉なのかという説明を添えて、家でも使ってみましょう、とお伝えしています。

--未就学のお子様は、小学校の英語改革や大学入試改革に直面します。

芳井先生:それにともない、保護者もこれからは会話力も重要、という意識に変わってきました。もちろん、読んで書く力も必要ですから、イーコラボのカリキュラムに反映させていますが、保護者からは、話せるようになってほしい、英語を使えるようになってほしいという要望を感じます。

井出先生:幼児が日本語を覚える過程は、絵本の読み聞かせなどで出るフレーズが、親子の会話の中に出て、身についていきますよね。英語の場合も同じで、私たちのイーコラボの教材、たとえば「うさぎとかめ」の場面設定には、日常使う言葉をちりばめ、自然と英語が身につく内容になっています。

--イーコラボの授業は1クラス何人で行っていますか。

井出先生:先生ひとりにつき、生徒が最大8名です。みんなでやるから、自分が言えないときにも、周りが助けてくれたり、仲間でリズムや音を楽しみながら、徐々にできるようになります。イーコラボが取り組む、みんなで一緒に英語を学ぶ学習法「ジョイントストーリーテリング」のメリットは、生徒同士、生徒と先生など、みんなで教え合い伝え合うところです。
《船田るみ子》

船田るみ子

北海道生まれ、フリーランスのコピーライターとして活動中。興味がある分野は、ニューロダイバーシティを含め教育、美術、建築、スポーツ(野球)、NFT、Web3など。企画・編集協力として、日めくり型書籍『年がら年中長嶋茂雄』(ベースボール・マガジン社刊)がある。Podcastを聞きながらのランニングが日課。

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