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子どもの体力低下、大阪市立大が調査開始

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長期的に見た運動能力の推移(高校2 年生)
  • 長期的に見た運動能力の推移(高校2 年生)
  • 体力テスト合計点の都道府県順位(中学2 年生)
  • 身体活動量の測定の様子
  • 自律神経活動の測定の様子
 大阪市立大学は6月19日、子どもの身体活動量や生活習慣に関する調査研究を開始したと発表した。全国的に子どもの体力低下が続く中、その傾向が顕著である大阪府の中高生を対象に縦断的な追跡調査に取り組んでいく。

 調査では、身体機能や体力の良好な発育・発達のためにはどれくらいの身体活動量が必要か、その身体活動量を確保するためにはどのような生活習慣が有効かについて明らかにする。

 同大によると、中高生の身体活動量を調査し、体力や生活習慣との関連を明らかにした研究は少なく、縦断的に追跡調査する研究は日本で初めてだという。

 対象となるのは、大阪市立咲くやこの花中学校・高等学校の生徒160人。身体活動量と日常生活活動を1週間にわたって記録するほか、身体組織(脂肪量や筋肉量)の測定、体力の測定、生活環境や習慣に関する質問紙調査を実施する。来年度以降も同一生徒を対象に縦断的な追跡調査を継続するとともに毎年度同数を追加実施していく。

 文部科学省の「体力・運動能力調査」によると、子どもの体力は昭和60年代ごろから低下が続いている。中でも大阪府の児童・生徒の体力低下は著しく、都道府県順位では男女とも各年齢で40位を下回る状況にある。大阪府以外では、北海道、東京都、神奈川県なども低い傾向にある。

 子どもの体力低下の原因は、日常生活における身体活動量の減少にあり、背景として子どもを取り巻く生活環境や生活様式の変化、学習活動の増加に伴う身体活動機会の減少などが指摘されている。

 中学生から高校生の時期は、身体機能や体力の著しい発育・発達期にあり、十分な身体活動量が確保されるべき年代であるが、実際の身体活動量は小学生期から中学生~高校生期において減少している。

 これにより、20歳前後にピークを迎える身体機能や体力の良好な発育・発達を妨げ、成年~中高年期におけるメタボリック・シンドロームやロコモティブ・シンドロームの早期発症をもたらすことが懸念されているという。

 研究成果については、中高生の生活指導や体育関連科目におけるカリキュラム精査に役立つことが期待されている。教育現場以外でも、学術発表、中高生の生徒・保護者・教職員を対象とした講演会などにも活用していくとしている。
《奥山直美》

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