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【高校受験2016】大きく変わる大阪公立高校入試、志望校選択に影響…第一ゼミナール

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ウィザス 情報企画室 室長の高澤隆一氏
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  • 第一ゼミナール
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 2016年から入試制度が大きく変わる大阪府立高校・大阪市立高校。大阪公立高校入試の特徴であった前期日程・後期日程の選抜から「一般選抜」へ原則一本化される。これにより、以前は可能であった前後期で同じ高校を2回受験するということができなくなるなど、中学生の志望校選択にも影響がでそうだ。

 大阪府の高校入試に詳しい第一ゼミナールを運営するウィザス 情報企画室 室長の高澤隆一氏に、2016年の高校入試の変更点や動向、受験生へのアドバイスを聞いた。

◆大きく変わる大阪公立高校の入試制度

--大阪公立高校の入試はどのように変わりますか。

 ひとつは、従来の前後期選抜から「一般選抜」へ原則一本化されます。一部、「特別選抜」と称する早期選抜制度が残りますが、それは工業に関する学科や体育に関する学科など、18校のみに絞られます。

 以前の前後期選抜では、たとえば人気の高い天王寺高校の文理学科を前期選抜で受験し、不合格となった場合、後期選抜で同じ高校の普通科を受験するということができました。文理学科と普通科とで難度の差はありますが、天王寺高校を受験するチャンスは2回あったわけです。しかしながら、次年度よりチャンスは一般選抜の1回しかありません。受験生にとっては、慎重な受験校選択を迫られることでしょう。

 また、複数学科を有している高校の場合、第2志望を願書に記入することができるのも、重要な変更点のひとつです。たとえば、豊中高校では文理学科と普通科の2学科を有していますので、第1志望を文理学科、第2志望を普通科という出願ができるのです。

 英語科と理数科、普通科と3学科を有す大阪市立高校では、英語科を第1志望とし、理数科を第2志望とした場合、文系に行きたい生徒が理系に行く可能性が出てきます。このようなミスマッチが起きないよう、進路指導には細心の注意が必要です。

◆入試科目が5科目に統一

 2つめとしては、学力検査科目(入試科目)が5科目に統一されるということです。これまでの前期選抜では英数国3教科入試が一般的でした。天王寺高校の文理学科前期選抜では、2月に入試が実施され、しかも3科目で受験できるということで、かなりの人気がありました。しかし次年度は一般選抜1本で、なおかつ5科目入試です。理社が苦手な生徒にとっては、厳しい入試となるでしょう。

 3つめは、自己申告書の提出が義務化されることです。今年から、各高校よりアドミッションポリシーが策定されました。それに沿って、自己申告書を記入し提出しなくてはなりません。次年度のテーマは「あなたは、中学校等の生活(あるいはこれまでの人生)でどんな経験をし、何を学びましたか。また、それを高等学校でどのように生かしたいと思いますか。」という内容です。

 一般選抜を例にとりますと、ボーダーゾーン内(入試得点順位で、定員の90%から110%までの層)の生徒で、自己申告書が高校のアドミッションポリシーに合致している場合、高校の校長は、該当生徒を優先的に入学させることができます。つまり、定員100名の高校で110番の生徒の自己申告書の内容がよければ、91番の生徒を不合格にして、110番を合格させることができるということです。しかし、この制度の運用は極めて難しいのではないかと言われています。

 自己申告書は事前提出ですので、学校や塾の先生が指導することになるでしょう。そうすると、似通った自己申告書が多くなり、入試選抜に十分に活用できるのかが難しいところです。結局は、従来どおり学力検査において、できる限り高得点を獲得することが重要となるでしょう。

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《田村麻里子》

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