私立高校の学費滞納生、3か月以上の滞納「いる」78%…最多は兵庫

 学費を滞納している私立高校生が、わずかながら増えていることが11月24日、全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の調査結果から明らかになった。滞納生徒の割合は、全国平均1.09%に対し、もっとも高い兵庫県は3.30%と、自治体間によって開きもみられた。

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  • 私立高校での3か月以上の学費滞納者数と経済的理由による中退者数の10年間の推移
  • 私立高校の学費滞納生徒割合の道府県比較
  • 私立中学校での3か月以上の学費滞納者数と経済的理由による中退者数の10年間の推移
 学費を滞納している私立高校生が、わずかながら増えていることが11月24日、全国私立学校教職員組合連合(全国私教連)の調査結果から明らかになった。滞納生徒の割合は、全国平均1.09%に対し、もっとも高い兵庫県は3.30%と、自治体間によって開きもみられた。

 調査は、2015年度上半期(4~9月末)において、3か月以上の学費滞納と経済的理由による中途退学を集約したもの。加盟校を中心に配布し、33都道府県の私立高校297校(対象生徒数261,267人)、私立中学校125校(対象生徒数44,453人)から回答があった。

 3か月以上の学費滞納生徒がいる私立高校は、78.1%にあたる232校。生徒数は、調査対象者全体の1.09%となる2,835人。前年同時期の1.07%から微増した。

 経済的理由での高校を中退した生徒は、22校32人。調査対象者全体に占める割合は前年と同じ0.012%で、横ばい状態となった。

 全国私教連によると、2010年度に施行された就学支援金制度や都道府県による減免制度拡充により、9月末段階で3か月以上学費を滞納する生徒の割合は年々低下が続いていた。増加したのは、2010年以降では初めてとなる。

 私立高校生の学費滞納の実態は、自治体によって差があり、格差が拡大している。滞納生徒比率を道府県別でみると、もっとも高かったのは兵庫県の3.30%で、全国平均1.09%より3倍以上高かった。北海道3.09%、青森県2.62%、岩手県2.37%など、北海道や東北地方で滞納生徒の割合が高い傾向もみられた。

 全国私教連では、学費納入の困難さを生んだ要因は、家計収入の影響なども考えられるが、北海道や東北地方の各自治体の制度は、施設設備費などを含めた学費(学納金)補助制度ではなく授業料補助制度であり、生徒の実情に合っていないことなどが考えられると分析している。

 一方、私立中学校で3か月以上の学費を滞納した生徒は54校127人。生徒全体に占める滞納生徒の割合は0.29%。前年の0.21%からやや増加した。経済的な理由で中退した生徒は、5校5人であった。
《奥山直美》

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