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米国名門大学のネット講義を翻訳、広尾学園高2年生の挑戦をUCI教授が賞賛

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広尾学園医進・サイエンスコースの生徒にクーパーマン教授との対談機会が設けられた
  • 広尾学園医進・サイエンスコースの生徒にクーパーマン教授との対談機会が設けられた
  • 生徒が実際に翻訳したカリフォルニア大学アーバイン校(UCI)ネット講義「やさしい化学」。生徒たちによる翻訳が動画右部分に表示されている
  • ラリー・クーパーマン教授(左)、Asuka Academy福原美三理事長(中)、Asuka Academy岸田徹副理事長(右)
  • 翻訳活動に携わった医進・サイエンスコースの有志生徒17名
  • 代表生徒2名が翻訳活動や医進・サイエンスコースについて紹介を行った
  • 生徒たちの取組みや学ぶ意欲に賞賛をおくるクーパーマン教授
  • 生徒たちは臆する表情もなく、活発に質疑応答に参加した
  • 翻訳活動に携わった医進・サイエンスコースの有志生徒17名
 広尾学園は12月7日、カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)のラリー・クーパーマン教授を迎え、広尾学園医進・サイエンスコースの高校2年生に教授との交流の場を設けた。

 「医進・サイエンスコース(通称、医サイ)」は、医学部、理系学部を目指す学生に向け2011年に新設された広尾学園独自のコース。先進的に教育ICTを利活用する学園の姿勢はそのままに、充実した実験施設の設備や国内外の大学・研究機関との積極的な連携が行われている。

 医進・サイエンスコースの生徒らは、国際的な協調性や自律した精神を身につけるため、分野にこだわらずその業界の第一線で活躍する第一人者や著名人と対話する機会を多く設けられる。12月7日には、生徒のうち希望者17名がUCIが提供する動画講座「やさしい化学」の翻訳活動を行ったことを受け、オープン・エデュケーション・コンソーシアム前プレジデントでありUCI教授であるラリー・クーパーマン氏が来日し、生徒たちと交流する場が用意された。

 動画の翻訳活動に携わったのは、医進・サイエンスコース高校2年生の有志17名。生徒らは、海外大学の映像授業を日本語に翻訳・普及するAsuka Academyが提供している無料のネット講義の中から、UCIの教授による「やさしい化学」を選び自らの力で翻訳した。翻訳活動のきっかけは、Asuka Academyが募集する翻訳ボランティアの活動に医進・サイエンスコースが賛同したことにある。

 翻訳には約5名ずつの少人数チーム制をとり、授業の合間の休憩時間や放課後の時間を充てた。男子生徒代表によると、英語力に不安がある箇所は「中学課程でインターナショナルコースで学んだ生徒たちに校正してもらいながら協力して取り組んだ」そうだ。

 生徒たちとクーパーマン教授の対話の場には、Asuka Academy理事長の福原美三氏や岸田徹副理事長、中村久哉事務局長、岩崎雅行氏も同席。実際に翻訳した動画を再生し、生徒代表2名はクーパーマン教授らに向け医進・サイエンスコースの紹介や翻訳活動に取り組んだ感想を述べた。

 活動実績に耳を傾けたのち、クーパーマン教授は必ずしも英語話者がネイティブスピーカーでないことを指摘。教授は、「動画の英語を理解するのは難しくなかったか」「英語と日本語、どちらの言語がより教科の理解をしやすいか」など、興味津々といったようすで生徒らに質問を重ねた。生徒たちによると、「学園に入ってからさまざまな国や年齢、立場の人と関わる機会がある」ため「国籍やネイティブか否かなどはコミュニケーションの壁にはならない」。生徒たちの言語適応能力の高さや取組みへの前向きな姿勢に、クーパーマン教授は深く感銘を受けたようすだった。

 クーパーマン教授によると、海外では場所や費用にこだわらず学べる「MOOC」のようなネット講義を利用した学習方法がすでに学生たちの生活スタイルの中に定着し始めている。教授はさらに、生徒たちが動画を見て自らの学習に役立てただけではなく、動画をさらに日本語に翻訳したことはまさに「アクティブラーニング」であり、素晴らしい取組みであると賛辞をおくった。Asuka Academy福原美三理事長も、「近年は研究や学びの手法が急速に進化している」ことを指摘し、生徒らがその変化に対応し主体的に学びに取り組んだ姿勢を賞賛した。

 17名の生徒たちの中には、まだ明確に将来の夢を定めていない者も多くいる。また、漠然と「医者」「科学者」「こういったものを作りたい」などの夢はもっていながらも、具体的にどのような人物になりたいか将来像を描くには「まだ時間が欲しい」とする生徒もいた。だからこそ、女子生徒のひとりは「普段の生活では会えない人に会えることが嬉しい」とコメント。生徒たちはみなそれぞれ、業界の最先端で活躍する先駆者や第一人者と出会う機会を進路決定に生かすことだろう。
《佐藤亜希》

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