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Google検索動向で見る教育トレンド、オンライン学習が塾・通信超える

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2020年にかけてのおもな教育業界トピックス(出典:Google Chi Tran氏作成資料 2016/2/9)
  • 2020年にかけてのおもな教育業界トピックス(出典:Google Chi Tran氏作成資料 2016/2/9)
  • 子どもの英語教育 に関する検索数の伸長率(出典:Google Chi Tran氏作成資料 2016/2/9)
  • OECD諸国における「留学」関連の検索トレンド※日本よりも留学生の多い国のみ抽出(出典:Google Chi Tran氏作成資料 2016/2/9)
  • アジアの主要大学名の検索数推移(大学の所在国別)※自国において自国の大学を検索するケースは含まない(出典:Google Chi Tran氏作成資料 2016/2/9)
  • 「教育」に関連する検索数の推移 ※韓国の検索総数が低いのはGoogle以外の検索エンジンを利用している可能性もあるため(出典:Google Chi Tran氏作成資料 2016/2/9)
  • オンライン学習サービスの学年別利用率 Google調べ(出典:Google Chi Tran氏作成資料 2016/2/9)
  • オンライン学習サービスの利用率(高校生におけるセグメント別)(出典:Google Chi Tran氏作成資料 2016/2/9)
  • 校外学習に関する検索数推移(子どものおもな学習形態別)(出典:Google Chi Tran氏作成資料 2016/2/9)
 Google教育業界担当インダストリーアナリストChi Tran氏は2月9日、Googleの検索動向から見る教育業界の最新トレンドを発表した。日本国内における「留学」関連の検索数はOECD諸国の中ではもっとも高いが、日本の大学が検索される頻度はアジア主要国の中で比較すると依然として低い。

◆子どもの受験、英語教育へ関心集まる

 インダストリーアナリストChi Tran氏は、Googleは独自のデータに基づき「日本を取り巻く学生事情」や「少子化と教育」、「オンライン学習の浸透」について分析した。

 日本を取り巻く学生事情では、受験市場や教育業界を読み解いた。受験に関連する検索数は2012年以降年率23%で伸長しており、特に小学校受験・中学校受験で高い伸び率を示している。2014年から2015年にかけては「中学受験」「中学受験 ブログ」といった単語がよく検索されており、保護者がインターネットを活用し情報収集にあたるようすが見て取れる。

 「子どもの英語教育」に関する検索数も2012年以降で増えてきた。Tran氏は、この結果は大学入試改革により子どもたちの英語学習にも大きな変化が訪れることが影響しており、保護者が徐々に子どもへの早期教育意識を高めているのではないかと指摘している。少子化の影響は受けていながらも、教育関連の検索数は全体として増加傾向にあるため、「ITを活用した保護者の情報収集感度が高まっている」(Tran氏)ようすがわかる。

◆海外の留学トレンドに遅れる日本、要因は入学時期か

 留学に関しては日本から海外への留学(アウトバウンド)とインバウンド(海外から日本への留学)双方の観点から読み解いた。日本における「留学」関連の検索数はOECD諸国の中でもっとも高く、スーパーグローバル大学が決定された2014年から2015年にかけて14%の伸び率を見せているが、海外からの日本の大学についての検索数では韓国・中国・シンガポールに劣っている。

 Tran氏によると、検索数が中国やシンガポールとの差が2011年から縮まらない背景のひとつには、国内大と海外大の入学時期の差異がある。日本の大学は4月入学が一般的だが、海外大学の多くは9月に入学する、いわゆる留学生も入学しやすい「秋入学」がある。海外からの留学生を広く募ることも考慮すると、日本でもさらに多くの大学で秋入学制度を設けることで留学情報検索のピークに合わせられる可能性がある。

 留学先に対する検索トレンドをみると、日本国内からの留学トレンドは、欧米や豪州、カナダといった遠方への長期留学傾向から、2011年夏を機に地理的・時間的に手軽なフィリピンや韓国といったアジア近圏への短期留学に転換していることがわかった。

◆4人に1人の高校生がオンライン学習を利用、検索数は既存塾などを超す

 教育ICTの普及による「オンライン学習」に関する検索数も2014年から2015年で急上昇している。子どものおもな学習形態を「オンライン学習」「学習塾」「家庭教師」「通信教育」別にわけ検索数推移を見ると、オンライン学習に関する検索数は対昨年比で倍以上に伸びており、学習塾やそのほかに関する検索数を上回った。

 Googleが2015年12月に行った調査によると、高校生におけるオンライン学習サービスの利用率は27%。4人に1人がタブレットやPCなどを利用したオンライン学習を利用しており、中でも成績上位層の生徒や習い事にかける費用が月額5,000円未満の層におけるオンライン学習利用率が高かった。ただし、地方と首都圏の教育格差をなくす目的やそれにともなう遠隔授業での利活用が期待されているオンライン学習だが、Tran氏によれば現時点では居住エリアによる利用者層の特徴は見られていない。

 「今後、ユーザーの意思決定プロセスにおいてインターネットがより活用されていく中で教育サービス提供者は提供価値やサービスの内容をインターネット上でも訴求していくことが重要になる」とTran氏は語る。Google教育業界統括営業部長の吉村政久氏は「ほかの業界と比較し、教育業界へのIT導入はまだまだこれから」と指摘。吉村氏は「教育のグローバル化や2020年に向けた大きな教育業界の変化に対応すべく、Googleもさまざまな情報を発表していきたい」(吉村氏)と、Googleが教育業界に向けた情報提供に積極的である姿勢を覗かせた。
《佐藤亜希》

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